JFL鈴鹿ポイントゲッターズのFWカズ(三浦知良、55)が2日、W杯カタール大会を目指す日本代表にエールを送った。1日のメンバー発表を受けて、大迫勇也(32=神戸)ら落選組を思いやり、代表でともに戦った森保一監督(54)が選んだ26人に期待した。W杯を「永遠の憧れ、夢」と語るカズはJFL最終節の翌21日、日本を応援するためにカタールに向かう。

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JFL初ゴールで5年ぶりにカズダンスを舞った10月30日のティアモ枚方戦から中2日、カズは練習再開日も軽快だった。前日には森保監督がW杯メンバーを発表。「もしかしたら」はなかったが、26人が決まった高揚感に笑顔をみせた。

カズ 誰が選ばれてもおかしくない選手たちだし、対戦相手とかいろいろ考えて森保監督が選んだのだと思う。(ラモス氏、武田修宏氏らと)激励会をやったの1年前。お互いに忙しいからもう会えないだろうけど、応援してるよ。

W杯メンバー発表といえば、今も24年前の「外れるのはカズ、三浦カズ」と発表する岡田武史監督の映像が流れる。W杯代表選考の厳しさは誰よりも知っている。だからこそ、この日も落選組に思いをはせた。

カズ 大迫も落ちてしまったけれど、次を目指して頑張ればいい。まだ32歳でしょ。そんなにすぐ衰えることはないし、次も行けるよ。まあ、本人がどう思うかだけど、次の試合、次の試合とやっていけば、4年なんかすぐにたつから。

選ばれた選手への期待がある。自身の経験やW杯への思いは次の世代に伝えてきた。開催国カタールは29年前の「ドーハの悲劇」の地。ともに戦った森保監督への期待もある。悲劇を経て初出場を勝ち取ってから7大会連続出場。第一歩をしるした自負は今もある。

カズ W杯には出られなかったけど、日本を連れていくと言って、連れていけたと思っている。そのDNAを長友や(吉田)麻也たちが受け継いでくれ、次につなげてくれている。ベテランにも頑張ってほしい。

今回は大会公式スポンサー「ハイセンス」のアンバサダーとして、日本の試合をリポートする。国際サッカー連盟(FIFA)からは前回大会同様に「VIP」として招待もされた。「ドーハの悲劇」以来29年ぶりの訪問を楽しみにする。

カズ 試合のレポートは無理。僕は専門家じゃないから。「やる」のは専門だけど、見ていろいろと「言う」ことはできない。分からないからね。それは、専門家に任せるよ。一ファンとして試合を見て、応援するよ。もちろん、勝ち負けとかあるけど、W杯は最高のお祭りだから、楽しんでほしいのが一番だね。

W杯に出場しないまま、W杯の「代名詞」とまでなったカズは、スタンドから日本を応援するのを楽しみにしている。【荻島弘一】