日本が、途中出場のFW熊田(くまた)直紀(18=東京)の2発で中国を逆転で下し、苦しみながらも、難しい初戦で勝ち点3を手にした。前半6分にオウンゴールで失点したが、5バックで守りを固める相手を、熊田が身長181センチの長身も生かしねじ伏せた。日本は6日の第2戦でキルギスと対戦する。

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若き日本代表を救ったのは熊田だった。0-1の後半11分に先発したFW坂本に代わりピッチに送り出され、2得点と文句なしの働き。先制され、相手に引いて守られる。格下ともいえる相手にまさかの展開を強いられた。アジアの難しい戦いの中、壁を打ち砕いたFWは「自分の強みはクロスからのヘディング。固める相手をサイドから崩して点を取ることはイメージしていた」と振り返った。

得点はともに、同時に入ったMF佐野のクロスからだった。0-1の同21分。佐野が柔らかい浮き球のクロスを上げた。熊田が頭でズドン。ボールはポストに当たりゴールに吸い込まれた。4分後にも、佐野の左からのクロスをボレーシュート。空振りしたが、すぐ起き上がりボールを拾うと右足でネットを揺らした。熊田は「1点目はファーでしっかりヘディングで決められた」と胸を張った。

東京の下部組織育ち。U-18在籍中の22年に高校生ながらトップチームに登録され昨季はルヴァン杯2試合に出場。同年代の選手から「何でもできるストライカー」と一目置かれる存在でもある。本格派の香りを漂わせるストライカーが、アジアの舞台で頭角を現した。