<ロンドン五輪アジア最終予選:日本2-1韓国>◇第2戦◇3日◇中国・済南オリンピック・スポーツセンター

 なでしこジャパンは、DF岩清水梓(24)が守備陣を統率し、韓国の猛攻をしのいだ。W杯決勝の米国戦で退場となり、初戦のタイ戦は出場停止。今予選初めて立ったピッチで、存在感を見せつけた。押し込まれる展開を冷静なカバリングで対処し、要所で攻撃を食い止めた。それでも「最終的に崩れなくてよかったが、プレッシャーが甘かった」と反省を忘れなかった。

 1-0で迎えた前半30分、岩清水のパスにDF熊谷が足を滑らせカウンターを許し、韓国のエースFWチ・ソヨンに同点ゴールを許した。意気消沈する後輩の熊谷を「気にするな」と大声で励まし、チーム全体も鼓舞した。大会前のなでしこフィーバーに「五輪予選は勝ち抜いて当たり前と思われている。それは仕方ない。でも、私たちは誰1人、そんな甘いとは思っていない」と気持ちを引き締めて挑んでいた。

 タイ戦でも適切な指示でDF陣を安定させた。出場停止のためスタンド観戦だったが、ハーフタイムには小走りでロッカールームに向かった。ミーティングに参加し、ボランチのポジショニングや、ボールを奪われた後の対処などアドバイスを送った。岩清水の強い気持ちが、チームの守備を支えていた。

 コーチングの大切さは北京五輪で主将を務めたDFの磯崎浩美さんから学んだ。「試合中でも味方に近寄ってコミュニケーションを取っていた。それでチームが引き締まった。まねしている部分は多い」。復帰した守備のリーダーが、残り3戦もなでしこジャパンのとりでになる。