これがなでしこジャパン佐々木則夫監督(53)の人心掌握術か、大一番を前に堂々と北朝鮮を挑発した。

 佐々木監督

 若い選手が入りながらもスタイルは変わらない。局面をみるとミスも多い。今の北朝鮮にやられるようじゃダメ。また僕にブーイングされる。

 選手に伝わることを想定し、北朝鮮を必要以上に意識しないよう、あえて見下した発言をした。5日オーストラリア戦前も「大したサッカーではない」とばっさり。確かに、フィジカルだけで攻撃は単調だった。

 6日、控え組は約1時間、5対5のミニゲームなどで汗を流した。「今日は若手と中堅に分けたが、若手も食らい付いて頑張っている」と指揮官。

 北朝鮮の薬物違反による影響には「まったくないね。むしろフレッシュになった」と答えた。「11番(FWラ・ウンシム)がシャープな動きをする。熊谷紗希(20=フランクフルト)と宇津木瑠美(22=モンペリエ)の2センターがやられたんだよ」。以前指揮したU-20(20歳以下)W杯チリ大会で、2得点を許した若手を警戒した。

 今大会初の中2日。午後は初の自由時間とし、外出も許可。かすれた声の佐々木監督は「ノリさんうるせえよって陰で言っているのは聞こえるんだよね。いっぱい盗聴器も付けてるし。オヤジになると目は悪くなるけど、耳だけは良くなる」とぼやいた。このライト感覚が、なでしこジャパンのリズムをつくる。