なでしこジャパンのロンドン五輪直前合宿は、男子高校生とのトレーニングで強化をはかることが26日、分かった。英国で行われた五輪抽選会から帰国した佐々木則夫監督(53)が「日本で充実したキャンプをしっかりやるプランもある」と明かした。

 五輪直前は欧州に出場各国が集まることから、W杯初制覇した験の良いドイツなどで長期合宿を行うことも検討されていた。強豪国との練習試合が組みやすいことや時差ぼけ対策など利点も多かったが、「それ以上に、女子では体感できない速さや強さを最後に体に染み込ませて、英国に乗り込みたい」との指揮官の希望が優先された。

 今月初めのキリンチャレンジ杯では、直前の宮城合宿で仙台育英高を練習相手として招き、同杯優勝につなげた。なでしこメンバーを体格で上回る男子高校生は、米国など仮想ライバル国として最適でもある。佐々木監督は「調整中ではあるが、日本で充実したキャンプをしっかりやりたい。7月11日にキリンチャレンジ杯(国立)で1試合できるので、練習試合はあと1試合くらいでいい」と話し、構想は固まりつつある。

 五輪代表は7月9日に集合し、同25日の1次リーグ初戦カナダ戦へ向けスタートをきる。登録18人と予備登録4人の計22人。英国入りの期日は流動的だが、国際オリンピック委員会(IOC)では大会4日前までに現地入りすることが決められているため、遅くても同21日には日本を出発する。

 佐々木監督は、今月末までに予備登録36人を決定させるため、まず29日のなでしこリーグ日テレ-千葉戦(岩手陸)を視察する。「今週末は岩手のおいしいものを食べてきますよ」。余裕の笑顔が“ノリさん流金メダルプラン”の順調さを感じさせた。【鎌田直秀】