<U-17W杯:日本2-1チュニジア>◇1次リーグD組◇24日◇シャルジャ

 若き日本代表が1位突破を決めた!

 すでに1次リーグ突破を決めているチュニジアに逆転勝ちし、3連勝で1位通過を決めた。ベネズエラ戦から先発7人を入れ替え、前半は1点をリードされて折り返すが、後半は完全に試合を支配。後半42分にDF坂井大将(16=大分U-18)のゴールで同点に追い付き、同ロスタイムにはFW渡辺凌磨(17=前橋育英)が決勝点を決めた。日本の決勝T1回戦は28日に行われ、相手は現地時間25日の1次リーグ終了後に決まる。

 攻めの姿勢を貫いた日本が、最後の最後にチュニジアをくだした。後半ロスタイム。足にけいれんを起こす選手が続出し、完全に足が止まり棒立ちのチュニジアDF陣を切り崩した。MF水谷のクロスを冷静にFW渡辺が押し込む。力なくボールを見送るチュニジアGKを横目に、右手を突き上げた渡辺が水谷とともに日本ベンチへ駆け寄った。

 歓喜のロスタイム弾で1位突破をものにした。吉武監督は「相手はボールにマンツーマンでくるので、守備をとるか攻撃をとるかで、われわれは攻撃をとった。『美しく魅了して劇的な結果を残す』というスローガンを掲げているのですが、絵に描いたような結果になった」と顔を上気させた。

 前半はチュニジアDFの、激しい寄せに苦しんだ。欧州予選1位突破のロシア、南米予選2位突破のベネズエラを破ったが、チュニジアに研究されていた。スペースがなく、中盤でパスミスを連発。時間の経過とともに、日本は状況に応じて目まぐるしくポジションを入れ替え、打開をはかる。FW登録の中野がセンターバックに入るなど、DFラインにDF登録選手はゼロ。さらに2戦目からGKを含む7人を変更した。

 前半ロスタイムに1点を先制されるが、粘り強く攻めた効果は終盤に表れた。後半42分。スルーパスに抜け出したDF坂井が、相手DFともつれるようにゴールへ流し込み同点。さらにロスタイムの逆転劇。最後まで運動量が落ちなかったスタミナと、あきらめずに攻め続けた日本の底力が相手を上回った。

 ボール支配率は、ロシア戦の62%、ベネズエラ戦の68%をさらに上回る70%。攻め切れずに終盤を迎えながら、最後まで焦らずに勝ち点3をもぎ取った日本が、1位で決勝トーナメントへ進んだ。

 ◆U-17W杯、世界の強豪

 欧州王者は、今年のUEFA・U-17欧州選手権で優勝したロシア。決勝でイタリアを0-0からPK戦で下した。南米は今年の南米U-17選手権で、アルゼンチンが優勝。2位は日本が2戦目で勝った(3○1)ベネズエラ。アジアは今大会の予選を兼ねた、AFC・U-16選手権が昨年行われた。日本は決勝でウズベキスタンに敗れ準優勝でW杯に進出。今大会はA組ブラジルがスロバキア、UAE、ホンジュラスと対戦し3勝。得失点差は+13と、圧倒的な力を見せている。