【ドーハ7日=木下淳】U-23(23歳以下)日本代表MF南野拓実(20=ザルツブルク)が70分間でチームの中心になった。U-23シリア代表と非公開の国際親善試合を行い、南野の2得点で2-1で勝利。A代表も兼ねるエースが仲間から認められた。リオデジャネイロ五輪アジア最終予選を兼ねるU-23アジア選手権の1次リーグ初戦・13日北朝鮮戦へ、得点力不足の手倉森ジャパンを救う存在になる。
認めさせるのに1試合あれば十分だった。合流5日目。連係面を不安視されていた右MF南野が、シリア戦でいきなり2得点した。初の非公開試合を終えた本人によると、先制は前半36分。左MF中島からの低いクロスに左足を振り「うまく、タイミング良く合わせられた」と1点目。1-1の後半25分には決勝弾だ。縦パスを受けてゴール方向に転回し、ペナルティーエリア外から左足で巻いてファーサイドに蹴り込んだ。
昨年3月の1次予選から9カ月のブランクも、70分間でチームの全得点をたたき出した。「思った以上に体が動いた。最終予選に出る国に勝てたのは自信になったし、いい準備になった」。1次予選マカオ戦も同じ合流5日目だった。格下相手に1得点はしたがミスが目立ち、当時の手倉森監督から「時差や気温差で、違いを見せるほどではなかった」と評された。しかし昨年末、オフを返上し東京近郊で自主トレした今回は違った。早川コーチから託されたメニュー以外に「シュート練習をプラスしたい」と直訴。最終予選にかける気合が結果に直結した。
同じ海外組のFW久保らベストメンバーの中、最も輝いた南野をチームも歓迎する。手倉森監督は「お見せできず残念。2点とも巧み(拓実?)なシュートでした」とご満悦。右サイドバック松原は「ボールが収まるので上がりやすかった」と言い、ゲーム主将のMF大島は「守備も献身的だし、攻撃は個で打開できるので助かる」。DF植田も「違いを見せてくれた」と証言した。12月の中東遠征で2戦連続ノーゴールに終わったチームに、ようやく明るい兆しが見えてきた。
初戦の北朝鮮戦まで1週間、連係面を詰めていく。南野は「このタイミングでとか、ここにボールが欲しかったな、とか細かい部分を修正できれば。もっと良くなる」。前評判が下がっていたチームを救う雰囲気がエースから漂ってきた。


