【ドーハ12日=木下淳】リオデジャネイロ五輪アジア最終予選を兼ねるU-23(23歳以下)アジア選手権(カタール)が開幕し、日本は今日13日の1次リーグB組初戦で北朝鮮と対戦する。A代表も兼ねるエースMF南野拓実(20=ザルツブルク)はU-16、19代表時代に敗れた宿敵へのリベンジを決意。1年前、激しい競争の場を求めて欧州に渡った男が、6大会連続の五輪出場へ導く。この日は約1時間の最終調整で本番に備えた。

 さあドーハの決戦だ。前日練習を終えた南野は「相手の気持ちは相当なもの。受けたらダメ。五輪に出て当たり前と思われている重圧をはね返し、必ず最終予選を突破したい」。落とせない初戦へ闘志を高めた。

 1年前、世界の舞台に立つために欧州へ渡った。ザルツブルクは所属選手の国籍が17カ国に上るほど競争が激しい。練習場では選手同士がぶつかる鈍い音が響く。「常にバチバチ。毎日が国際試合で、露骨に削ってくることも多い。イエローカード程度の反則は1日に何度もある」。望んでいたことだった。「味方にも感情むき出しで勝負できる環境。移籍して良かった」。ペルー代表MFとの定位置争いを制し、一時は9戦7発でリーグ得点ランク2位を走るほど飛躍した。

 進化はリオへの道のりで示す。まずはリベンジだ。昨年9月12日、オーストリアで最終予選の組み合わせを聞き、思わず口角が上がった。「やったるか」。あの日がフラッシュバックする。14年10月17日、U-19アジア選手権の準々決勝で北朝鮮に負けた。PK戦で南野が外し、U-20W杯を逃した。「あれだけ悔しかった試合はないし、絶対に借りは返す。ザルツブルクにU-20W杯に出たガーナ代表の選手がいて『日本は?』って聞かれた。『俺のPKで負けたから行かんよ』と答えた時、同時に五輪には必ず出ると誓った」。

 北朝鮮には10年のU-16選手権準決勝でも敗れている。「2試合とも先制されて苦しくなった。今回は特に立ち上がりを意識したい」。6日のシリア戦で2得点と絶好調だが、初戦はセットプレー重視の方針でスーパーサブに回る可能性が高い。すべては最後に五輪切符をつかむため。「取れるものはすべて取る。出場権はもちろん、エースの座も得点も。最後、決められるか決められへんかの場面で違いを見せたい」。南野の大会が今日、開幕する。