【ドーハ24日】MF南野拓実(21=ザルツブルク)が、6大会連続の五輪出場へ導く。リオデジャネイロ五輪アジア最終予選を兼ねたU-23(23歳以下)アジア選手権で準決勝に進んだ日本は、対戦相手がイラクに決まった。明日26日に五輪切符を懸けて戦う。93年10月28日、当地でA代表が対戦し、W杯米国大会出場を逃した歴史的ドローから23年。南野らドーハの悲劇を知らない世代が、「ドーハの歓喜」に歴史を塗り替える。敗れると、29日の3位決定戦に回る。
運命の巡り合わせか-。勝てば五輪出場が決まる一戦の相手は、イラクになった。出場権を懸けたドーハでの決戦で、真っ先に浮かぶのは93年の「ドーハの悲劇」。しかし、今大会のメンバー23人中、大半の13人が生まれていない。95年生まれの南野も「サッカー番組でやっているのを見て知った」という程度の認識。ジンクスなど関係ない。
昨年12月、南野はザルツブルクを訪れた中山雅史氏から、当時出場したイラク戦の話を聞いた。「『僕らのときは(出場が)当たり前じゃなかった。今はプレッシャーもあると思うけど頑張って』と言われた」。ここで涙をのんだ先輩の思いに触れた。その悔しさを「五輪出場」という形で晴らす機会がきた。
個人的にはお得意様だ。10年11月1日。南野は翌11年のU-17W杯出場権を懸けたU-16アジア選手権の準々決勝でイラクと対戦。2ゴールを挙げ、3-1で快勝し、本大会出場へ導いた。リオ五輪世代は難敵イラクにもっか3連敗中だが、これには出場していない南野に苦手意識はない。「僕はイラクといいイメージがある。(ザルツブルクでは)肉弾戦でもボールをキープできるようになった。サウジとイランに勝った自信もある」。自らの1発で世界への扉を開けてきた。再びその舞台が整った。
五輪決定弾が南野の仕事だ。ここまで1次リーグ全3試合に出場も無得点。人一倍得点に向かう気持ちは強い。練習でも、この日から練習に完全合流したFW鈴木らと先頭でランニングした。「ゴール、したいっすね。切符をつかむための力になれればいい」。温存された準々決勝では同部屋のMF豊川がヒーローになった。次はエースの番。ドーハの地に「南野拓実」の名を刻む。【小杉舞】

