J3福島の大卒ルーキーFW斎藤恵太(22)が、プロ入り初のハットトリックを達成した。全得点を1人でたたき出し、過去5戦すべてで勝ち星のなかったU-22選抜に快勝。チームは13勝9分け12敗と白星を先行させ、勝ち点48で6位に浮上した。

 ベンチ入り16人の平均年齢20・25歳と、福島より7歳下のU-22選抜相手に、今春仙台大を卒業した同年代の斎藤が燃えた。前半8分、右CKのこぼれ球に反応して先制し、同19分には浮き球パスを1トラップして2点目。さらに後半43分は、ゴール正面で体を反転させながらダメ押しゴールを決めた。同じ22歳以下でも3月31日の年度末が誕生日の早生まれ。初めてヒーローインタビューを受け、スポンサー賞の福島牛2キロも獲得した。背番号「29」でまさに「ニク」を得た斎藤は「年下が多かったので負けたくなかった。肉は大好きです。今月も生きていける」と笑わせた。

 東日本大震災の津波で宮城・山元町の実家が全壊。今は再建した実家から高齢の祖父母がホーム戦ごとに応援に駆けつけてくれる。「じっちゃんとばっちゃんの前で得点できた。次も自分のゴールで勝ちたい」とさらなる高みを目指す。【佐々木雄高】