今季限りでの引退を表明しているINAC神戸MF澤穂希(37)が90分間フル出場し、決勝進出に貢献した。INAC神戸は前半39分、MF川澄奈穂美(30)の右CKをFW高瀬愛実(25)が頭で競り勝ち、最後はFW大野忍(31)がヘディングシュートを決めて先制。後半16分には、川澄のパスに抜け出したDF近賀ゆかり(31)のクロスを受けたMF中島依美(25)が右足で決めて2-0とした。

 相手の仙台は夫の辻上裕章氏(39)が運営・広報部長を務めるため「夫婦ダービーなので負けられない」と臨んだ澤。試合後は「妻の勝利です」と胸を張り、「夫婦のことで他のことは譲れるけれど、これだけは譲れなかった」と、サッカーでは「かかあ天下」を強調した。

 27日の決勝が公式戦ラストマッチに決まった。「みんなが決勝に連れて行ってくれた。最後にトロフィーを掲げているところをイメージしたい。ちょっと寂しい気持ちもありますけれど、自分が決めたことだし、優勝してみんなと笑顔で終わりたいです」。有終の美を飾るべく、中3日で現役最終戦に挑む。