世界的スターがいよいよJリーグデビューする。今日29日、中断明けのJ1が再開。ヴィッセル神戸の元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキ(32)はホーム大宮アルディージャ戦で先発することが濃厚となった。28日は神戸市内の練習で先発メンバーとして調整。6日にドイツから来日して約3週間、デビュー戦に照準を合わせてみっちり練習を積んできたアタッカーがJの舞台で躍動する。

 ポドルスキは初ゴールを狙うように黙々と代名詞の左足シュートを打ち込んだ。デビュー戦を翌日に控えた神戸市内の練習場。PK練習ではゴールの隅に狙いを定め、強弱をつけて次々とネットを揺らした。

 初めてのJ1の舞台だが「最初は重圧がかかるのが当然。でもいつもそういう中で戦ってきたので問題ない。いつも自信を持ってプレーしている」と堂々たるもの。主将のFW渡辺と2トップでの出場が濃厚で、ネルシーニョ監督は「シュートやアシストも含めて経験を生かして試合を操ることを期待している」と信頼を寄せた。

 22日に仙台とのプレマッチに出場し、前半の45分間プレー。いきなり得点の起点となるスルーパスを披露した。2トップを組んだ渡辺とはこの1週間でさらに連係を強化。主将からは「ゴール前に入ってきてシュートを打ってほしい」と、パスだけでなく強烈な左足シュートも求められた。本人も「連係の部分は当然良くなっている」と手応えを得ている。

 昨年の同時期に行われた同カードでは当日券を含め約1万1000人の入場者だったが、今回は前売り券だけで約2万枚が売れている。さらに約100人の報道陣も駆けつける予定で、通常の取材エリアでは対応できないため、1部屋を急きょ開放してエリアを拡大する。神戸関係者によると「部屋を開けるのは(大久保)嘉人が帰ってきた時以来かな」という盛り上がりぶりだ。「ポルディ」の愛称を持つスター。現在9位のチームで起爆剤となる準備は整った。【小杉舞】