サンフレッチェ広島から育成型期限付き移籍で加入したJ2モンテディオ山形MF長沼洋一(20)が、26日のアウェー徳島ヴォルティス戦のベンチ入りへ向け猛アピールした。23日、山形県総合運動公園ラグビー場で紅白戦に臨み、控え組の左サイドで球際の強さをアピール。インターセプトから持ち味のドリブル突破を図り、主力組のゴールも脅かす。スタメン出場が濃厚なMF汰木康也(22)にもライバル心をあらわにした。

 長沼 ドリブルでゴールに向かっていくプレーが持ち味。タイプ的に似ている康也君にはよりいっそう負けたくない気持ちが強い。しのぎを削り合うことでチームの力も上がる。プレーオフ圏内入りに貢献できるようがんばりたい。

 14年から世代別代表入りを果たし、中盤の攻撃的プレーヤーとして16年のアジアユース優勝に貢献。計り知れない攻撃力を秘めているが、広島時代はサイドバック転向を余儀なくされた。より高い位置を求め、移籍を決意した。

 長沼 自分のやりたいポジションへのこだわりが強かったので山形でチャレンジしてみたかった。点を取るより取らせる方が好き。

 21日に行われた仙台大との練習試合では、こぼれ球を押し込みゴールを決めるなど結果を出した。この日もGK児玉剛(29)と1対1の場面を作るなど猛アピール。得点力不足に悩むチームに化学反応を引き起こせれば、プレーオフ圏内浮上への起爆剤となりそうだ。【下田雄一】

 ◆長沼洋一(ながぬま・よういち)1997年(平9)4月14日、山梨県甲府市生まれ。13年、J1広島ユースに入団し16年にトップチームに昇格。ルヴァン杯6試合に出場し1得点。U-17日本代表入り。U-19日本代表として、16年にバーレーンで行われたアジアユースに出場し優勝に貢献。177センチ、66キロ。利き足は右足。家族は両親、兄、姉。父が日本人、母がフィリピン人。