新鋭の2試合連続ゴールでJ1残留へ望みをつなぐ。アルビレックス新潟は今日29日の第31節、鳥栖とデンカビッグスワンスタジアムで対戦する。引き分け以下ならJ2降格、勝っても他チームの結果次第で降格が決まる厳しい状況の中、FW河田篤秀(25)が果敢にゴールを狙う。前節磐田戦で今季3点目を挙げて一時勝ち越すなど、現在チームで最も得点が期待できる存在。自身初の2戦連続弾、ホーム初得点で残留へ道筋をつける。

 チームが土壇場に追い込まれていても、FW河田は平常心だ。「勝たなければならないというチームの状況と、自分のゴールで勝ちたいという僕の目標が一致している。いつも通りにやるだけ」。

 新潟はこの日の練習で、ウオーミングアップのみを公開した。クロスからのシュート練習などは、非公開で行われた。河田は「僕はいい状態。ゴール前の動きはより意識しているが、特別に何か調整はしていない」。J1残留崖っぷちの一戦だが、プレッシャーはない。

 好調をキープしている。前々節G大阪戦、前節磐田戦と2試合連続フル出場。磐田戦では前半終了間際に2-1と勝ち越す(試合は2-2)ヘディングを決めた。1トップに入り、ボールを奪いにいく守備、ポストプレー、シュート、ゴールゲットと前線の要として君臨している。

 今季、新潟シンガポールから移籍。ここまでリーグ戦7試合出場で3得点をマーク。J1のスピード、パワーにもまれながら、ポストプレーの技術、体の使い方などが身に付いた。5月に右足関節の手術を行ったが完治。「ボールキープのときに踏ん張れる」と万全な体調も感じている。

 鳥栖守備陣の厳しいマークが予想されるが、「僕にマークが集まれば、その分味方にスペースができる」と状況を見極める冷静さもある。

 後がないチームにあって、ポジティブに成長を続けてきた。ここまで3得点はいずれもアウェー。「ホームで得点したい」という欲が闘志をかき立てる。「負けるのはいや。試合の状況に関係なく、ゴールに向かって点を取り続ける」。河田の存在感は増している。【斎藤慎一郎】

<新潟今節降格の条件>

 ◆引き分けか負けの場合 他チームの結果にかかわらずJ2降格が決定する。

 ◆勝利の場合 新潟は勝ち点19になり、残り3試合で最大勝ち点28だが、次のいずれか1つを満たされると勝っても降格が決まる。<1>15位甲府(現勝ち点28)が引き分けか勝った場合<2>16位広島(現勝ち点27)が勝利<3>17位大宮(同24)が勝利。大宮は第33節(11月26日)で甲府と対戦する。そのため、大宮が第31節で勝利した時点で、大宮と甲府のどちらかが必ず勝ち点29以上になる状況が生まれ、新潟のJ1残留圏15位以内が消滅する。