浦和レッズはアフリカ王者カサブランカに勝ち、大会を5位で終えて賞金150万ドルを獲得した。

 DF槙野智章は試合終了の笛を聞くと、満面ではないものの、笑顔を浮かべて仲間と健闘をたたえあった。準々決勝でまさかの敗戦を喫してから中2日。「なにか新しいものを生み出さなければ」と緊張感を保って迎えた。PKを含む2失点は残ったが、大きく崩される場面はなかった。

 「1年間、たくさんのものを失って、たくさんのものを得た」。17年最後の公式戦を終えてそう語った。国内は無冠でリーグ戦は7位に終わり、来季はアジア・チャンピオンズリーグに出ることができない。監督交代もあり、失意の時間もあった。一方で代表ではセンターバックとして頭角を現し、W杯ロシア大会へ確実に前進した。「確実に、無駄にはならない年、つなげていかなければ」と戒めるように語った。

 堀体制では守備にも重きを置く。「来年はどれだけ守備に力を注げるかも楽しみ。後ろの人間で勝ち点を拾えるようにならないと」と、すでに目線は来年を向いていた。

 日本代表ではセンターバックとして起用されることから、「W杯へ向けてのアピールもあるし、チームでもセンターバックをやることはプラス材料。勝負したい」と、DFマウリシオら仲間とのポジション争いへの意欲も語った。

 5位に終わったとはいえ、クラブW杯という舞台に立った経験は色あせることはない。「1つレベルが高い場所でやれたことは大切なこと。ミスの1つもなく戦えるようになりたい」。選手としての新たなチャレンジを楽しみにした。