東京ヴェルディとモンテディオ山形の1戦は、審判の判定をめぐり、前半から両軍の選手、スタッフが審判団に詰め寄り、抗議を繰り返す事態となった。

 東京Vは、21日のアビスパ福岡戦で後半に途中出場し、先制弾を決めたスペイン人FWカルロス・マルティネス(31)と、マルティネスの先制弾につながるシュートを放ったMF林昇吾(20)が、そろって今季初の先発に抜てきされた。

 その林昇が前半29分、MF奈良輪雄太の左クロスを、中央のFWドウグラス・ヴィエイラが落としたボールを、右から走り込んでシュート。ボールはゴールネットを揺らしたが、オフサイドの判定に、ヴィエイラ、マルティネスらが審判団に詰め寄り抗議。冷静で口数が少ないことで知られるミゲル・アンヘル・ロティーナ監督までが西山貴生主審に、通訳を交えて抗議を繰り返した。

 その中、前半36分、今度は山形が右サイドからクロスボールを放り込み、FW阪野豊史(27)がGK上福元直人(28)と競り合いながらボールをゴールにねじ込んだ。ゴールラインを割り、笛が吹かれる中、再びヴィエイラら東京Vの選手が西山主審らに詰め寄り、試合は中断。審判団は阪野のファウルと判断を下したが、今度は山形のスタッフが審判団に詰め寄り、抗議。上福元のゴールキックで試合が再開したのは、時計が前半42分を指す頃だった。ロスタイムは4分、与えられたが前半はそのまま0-0で終えた。

 後半に入り、山形がチャンスを作った。同16分、MF山田拓巳の右クロスを、阪野がヘッドで合わせるも枠を外した。開幕1週間前の2月18日に加入し、この日が初出場&先発だったMF古部健太(32)が左サイドで体を再三、張って東京Vの攻撃を防いだ。

 一方、東京Vも終盤、FWアラン・ピニェイロを投入し、押し返した。そして前線のヴィエイラに何度かボールを通したが、ゴールを割ることが出来なかった。試合はスコアレスで終わり、東京Vは無敗をキープした。