フットサルのFリーグが今日16日、東京・駒沢屋内球技場で開幕する。立川・府中と対戦するエスポラーダ北海道は、元FリーグU23選抜主将のFP阿部恭也(25)が4季ぶり現役復帰。「チームで結果を出して、夢の日本代表を目指す」と力を込めた。

 旭川実高卒業後、大学生プレーヤーとして4年間在籍したが、卒業後は大手旅行会社に就職した。3月まで3年間、営業や添乗員としてハワイや沖縄を飛び回った。「体重は変わらないけど、動きに全くキレがなくなり、心肺能力が落ちた」という。それでも現役時代にU23選抜でともにプレーしたメンバーが、日本代表を経験する姿に発奮。「戻るなら今しかない」と退職し、再びチームに飛び込んだ。

 合流から数日は、走力練習で置いていかれた。「吐いてしまったこともあった」と振り返る。練習再開から約2カ月で、ようやく走れる体に戻ってきた。小野寺隆彦監督(43)は「フィジカルレベルは完全ではないけれど、絞れてきた。ゲームメークの能力は高いし、人生をかけてフットサルに戻る気持ちに期待したい」と評価する。

 今季からは1部の1チームが2部に降格する可能性がある。一方でプレーオフ進出が3チームに減った。「チームが勝つために、泥くさいプレーを続けていきたい。下(降格)を見ず、上位3チームに入ることが目標です」。大企業のサラリーマンから帰ってきた男が、リーグを席巻する。【中島洋尚】