J2アルビレックス新潟は今日11日の第28節、栃木SCとホームのデンカビッグスワンスタジアムで対戦する。開催中のアジア大会(インドネシア・ジャカルタ)のU-21日本代表メンバー、MF原輝綺(20)が2試合ぶりにスタメン復帰し、ボランチでの出場が濃厚だ。鈴木政一前監督(63)が成績不振で7日に解任され、片渕浩一郎ヘッドコーチ(43)が指揮を執る初戦。攻守の起点として第6節徳島ヴォルティス戦以来のホーム戦勝利をもぎ取り、代表に合流する。

 「まず勝ち点3がほしい」。明日11日にインドネシアに向かう原は、アジア大会出場を前に今季ホーム2勝目を置き土産にする決意をみせた。

 10日の前日練習。センターバックのDF広瀬健太(26)とDFソン・ジュフン(24)の前で、攻撃側のクロスを的確にクリア。MF小川佳純(33)とともにボランチでの起用が予想される中、「比較的役割ははっきりしている」と守備的な部分を引き受けるつもりだ。

 鈴木前監督解任から準備期間が短い中での試合だが、「やることが大きく変わるわけではない」と冷静に受け止める。「味方がミスしたときに120%の力でカバーする、味方のために走る。身を削ってプレーすることが必要」。現在3連敗中で、この間、10失点。守備を固めるため、犠牲心の発揮を自分に言い聞かせ、チームメートにも求めた。

 今季はここまで23試合で1919分間の出場。ボランチ、サイドバック、センターバックで出場を重ねてきた。ルーキーだった昨季の18試合、出場時間1459分を大きく上回る。「ボールをもらったら、パスを散らすだけでなく、そこからドリブルを仕掛けてもいいかも」。複数のポジションで場数を踏んだことで、判断材料は増えた。それだけに勝ちたい気持ちは強い。

 「今は勝利が必要。チームにも、自分にも勢いをつけて代表に合流したい」。白星ゲットへのがむしゃらさをにじませた。【斎藤慎一郎】

 ◆原輝綺(はら・てるき)1998年(平10)7月30日生まれ、埼玉県出身。市船橋では3年のときに全国高校総体で優勝。17年に新潟に入団し、開幕の広島戦で、クラブ初の新人の開幕スタメンデビューを果たす。昨季はU-20日本代表入りし、U-20W杯に出場。180センチ、72キロ。