J3最終節で、今季で引退するSC相模原の元日本代表GK川口能活(43)が現役ラストマッチを完封勝利で飾った。ホームの鹿児島ユナイテッドFC戦で3カ月、リーグ13試合ぶりに先発出場。最多1万2612人の観衆の前で、変わらぬスーパーセーブを連発した。

記者会見での一問一答は以下の通り。

-鹿児島サポーターを含めた会場全体からのヨシカツコール

川口 一生忘れないですね。今日は引退試合ではなくJ3の最終節。鹿児島も勝利を目指していますし、お互い真剣勝負で勝つことができた、緊迫した試合で駆けつけてくれたサポーターのみなさんがヨシカツコールをしてくれたというのは、ほとんどなかったこと。キャリア最後の試合をこういう形で締めくくれて、本当によかった。

-家族とは何を話した

川口 実は僕、今日の試合に向かうにあたり、すごく緊張していたんです。今までにないシチュエーションというか、最後の試合で良いところを見せたい、勝たなければいけない、3カ月以上公式戦に出ていない…そういった中で不安のほうが大きかったんです。ただ、うちの家内が「最後の試合だから楽しんで臨んでほしい」と言ってくれて、それで気持ちが楽になったというか。今までにタイトルがかかった試合を何度も経験しているけど、今日の試合は違った緊張感があって、そういったところで「楽しく」って言葉をかけてもらって、気が楽にはなった。あとは昨日、子どもたちと一緒にお風呂に入ったり遊んだりした。「明日最後の試合だ…」としんみりしてしまうこともあると思ったけど、そういう時間もないくらい忙しく前日を過ごしていたので、子どもたちに感謝ですね。それくらいパパに対しての要求がいろいろあったから(笑い)。

-次のステージとは

川口 まだ決まってないですね。選手としてGKとしてやってきたことを、若い選手にフィードバックしたい、継承したいという思いはあります。

-楢崎の登場はサプライズだったのか

川口 実は、前日か前々日に電話で話した時「よっちゃん出るの?」って聞かれたんです。「たぶん出るよ」って話したけど、こういうことだったんですね。もし僕が出てなかったら正剛が「じゃあやめようかな」ってなったかもしれないし、来てくれてうれしかったですね。田中隼磨、中村航輔も来てくれて、相模原で1年目にプレーした選手も駆けつけてくれて、感謝の気持ちしかありません。

-今季6試合目で初勝利

川口 勝つって大変だなと思いました。(直近で出場した)鳥取戦で負けたのがキャリア最後になるかと思っていました。最後にプレーするチャンスをくれたスタッフには感謝の気持ちしかありません。1-0という理想的なスコアで終われて、自分が出てこれだけ失点を重ねたシーズンは今までなかったので、苦しいシーズンだったけど、最後に自分のプレーができてよかったです。特別な試合にすることができました。ハードワークしてくれた、苦楽を共にした選手達、パフォーマンスを引き出してくれたサポーターのみなさんの力が大きかったと思います。

(終わり)