初出場の瀬戸内は流通経大柏に0-5で敗れ、決勝進出を果たせなかった。前半に0-3と大量リードを奪われると、そのままペースを奪い返すことはできなかった。強豪の流通経大柏に屈したものの、堂々の4強入り。ここまで、無欲の進撃だった。

安藤正晴監督(46)は「(準決勝、決勝の舞台)埼スタを目指してというより、おまけでここまできた」と話していた。広島県予選決勝で、壁として立ちはだかっていた広島皆実を下し、ついに立った選手権の舞台。そこからの戦いは「おまけ」だった。

2回戦から登場し東京都市大塩尻高(長野)に1-0。3回戦は岡山学芸館との隣県対決を2-1で制した。そして準々決勝は日本航空(山梨)に1-0とすべて1点差。接戦をものにしてきた裏には「楽しむ」姿勢があった。

東京・品川の宿舎近くにある泉岳寺に安藤監督は毎朝参り、勝ち運を授かった。1週間をへての今回も宿舎は変更しなかった。準々決勝の試合後、指揮官は「選手は1試合ごとに成長している。自信を持ってボールを動かしている」。無欲の軍団に大舞台は刺激を与え続けた。