開幕まであと4日と迫ったJ1仙台にとって、まさに朗報だった。宮崎キャンプ中の13日に足首を痛め別メニュー調整が続いていたMF椎橋慧也(21)が19日、地元仙台での練習再開初日にフルメニューをこなし、順調な回復ぶりをアピールした。ボランチでの開幕スタメンが濃厚な若き有望株が、最後の仕上げに取りかかる。

約1カ月にわたる沖縄、延岡、宮崎でのキャンプを16日に打ち上げた。2日間のオフを挟んでのリスタートは、南国とは打って変わって気温6度の中で行われた。椎橋は「すごく寒いです」と苦笑いも、練習では負傷の影響を全く感じさせない軽快な動きを見せた。「(足は)大丈夫です。ここからが大切なんで。開幕に向けてコンディションをさらに上げたい」としっかりと浦和との開幕戦(23日)に照準を合わせていた。

今季から5番を背負う。子供の頃に憧れた元フランス代表ジダンが、レアル・マドリードで背負い続けた番号だ。チーム浮沈のキーマンを担う自覚は十分だ。ゲームコントロールについて聞かれると「それがキャンプのテーマというか。チームに貢献するための僕の仕事。すごい意識してやってきました」と話した。この日も積極的に縦パスを繰り出すなど、攻撃への強い意識をのぞかせた。「縦が全てじゃないけど、早く入れることでチャンスも生まれる。点を取らないと勝てないんで。僕のポイントからゲームを作ろうと。キャンプではパスを入れる所とか、入れる所じゃないとか、みんなで確認して突き詰められたと思う」。手応えを自信に変え、クラブ創設25周年のシーズンに臨む。【野上伸悟】