ジュビロ磐田は昇格組の松本戦を1-1で終えた。0-1の後半26分、途中出場のFW川又堅碁(29)が同点弾。名波浩監督(46)体制で初となるJ1開幕戦白星を逃したが、ホームで最低限の勝ち点1を得た。

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エースがチームを救った。0-1の後半26分、左サイドでパスを受けたMF山田大記(30)のクロスに、FW川又が反応した。中央で1対1となっていた相手DFのマークを外すと、豪快に頭でたたき込んだ。同9分の途中出場から、17分後の同点弾。自身初の「開幕弾」で試合を振りだしに戻し、「僕自身にとっては、取れてうれしかった」。左手を突き上げ、本拠地ヤマハの大歓声に応えた。

今季掲げる目標の「20得点」に好発進した。だが、試合後の笑顔はなかった。最後まで勝ち越し点は奪えず、昇格組の松本と引き分け。14年夏の名波監督就任後、1分け2敗だったJ1開幕戦で、今季も白星とはいかなかった。川又は「ホームでの開幕戦。勝ち点3が義務だった。そのつもりで戦っていたし、本当に悔しい」と、厳しい表情で振り返った。

シュート数でも松本の13本に対して11本に終わった。指揮官は「よく追いついたと思うけど、後半は同点ゴールまでシュート0だった。『前掛かりに行こう』という中で、シュート数が増えなかったことが残念」と振り返った。攻撃改善に取り組む中、手放しで喜べる内容ではなかった。

次節は、アウェーで広島と対戦する。川又は「次こそ勝ち点3を取れるように、そこだけを考えてやっていきたい」と顔を上げた。満足の船出とはいかなかったが、今季はまだ始まったばかり。ホームでつかんだ最低限の勝ち点1を、次につなぐ。【前田和哉】