J1ベガルタ仙台の秘密兵器MF吉尾海夏(20)が、6日のルヴァン杯アウェー・サガン鳥栖戦で、そのベールを脱ごうとしている。今季横浜F・マリノスから加入した期待のレフティーは、キャンプから結果を出し続けてきた。ついに巡ってきた本番ピッチで、本領を発揮する。チームは5日、最終調整を終えて移動。リーグ戦と総入れ替えした先発メンバーで、今季初勝利を奪いにいく。

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浦和レッズとのホーム開幕戦でベンチ入りを果たし、途中出場が期待されるも、出番はなし。前節アウェー横浜戦は、レンタル移籍元の出場制限でメンバー外だった。たまりにたまったエネルギーは、この一戦で一気に吐き出す。

吉尾 やっと公式戦に出るチャンスが巡ってきたという感じです。焦らず、しっかりと準備はしてきたし、今の仙台のサッカーにフィットできてきている。ポジショニングや立ち位置だったり、慣れないシステムでしたがクリアになったし迷いはありません。

チームはリーグ戦2戦勝ちなしも、勝利へのイメージはできている。沖縄キャンプから3トップのユニットを組んできたFWジャーメイン良(24)、阿部拓馬(32)との連係に手応えを感じている。

吉尾 2試合を外から見ましたが、守備する時間が長くて、もっとコンビネーションの部分を出せると感じた。鳥栖戦ではボランチを含めて前の3人の連係で崩したい。キャンプから3人の組み合わせが多かったので、意思の疎通には自信があります。

クラブ人件費で最下位レベルの仙台は、ビッグクラブで出場機会がない若手有望選手を獲得し、戦力に育て上げるスタイルが定着してきた。それだけに吉尾にかける期待も大きい。

吉尾 相手を意識するより、自分たちがやってきたことを出してイニシアチブを握って試合を進めたい。フリーキックでの左足のいい感触はあるので得点と結果にこだわって試合に臨みたい。

待望のレフティーが今季初白星に導く。【下田雄一】