前年度王者の青森山田はリスタートからの4発で快勝。MF松木玖生(くりゅう、1年)が2ゴール、FW田中翔太(3年)、DF神田悠成(3年)も続き3人が2戦連発を決め、昨年の総体で準優勝した富山第一を圧倒した。

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青森山田をけん引したのは、またしても松木だった。前半7分、DF内田陽介(2年)がベンチ手前まで助走を取り、ロングスロー。ゴール前の混戦で、最後は松木が左足で押し込んだ。「先制点を決めて勢いをつけられた。チームとしてリスタートを意識していたので、貢献できたし、いいステップになった」。後半35分にはCKから4点目も奪った。今大会の目標は5ゴール。早くも2戦3発で絶好調だ。「どんどんゴール前に飛び込み、チャレンジしたい」。次戦も貪欲にネットを揺らす。

試合を優位に進める2点目は、後半4分に田中翔が決めた。松木がドリブル突破でFKを獲得すると、J1横浜FC加入内定のMF古宿理久(3年)が右足で正確なボールを供給。頭で完璧に合わせた。田中翔は「トーナメントは得意。点を決めてやろうと飛び込めた」。昨夏の総体後、スタメンを外れたことを転機に、体を鍛え直し、苦手のヘディングも克服。ストライカーとして真価を発揮した。

黒田剛監督(49)はリスタートからの4点に「今大会屈指の両キッカー(武田英寿、古宿)のいいボールを信じて飛び込むだけ。ほしいタイミングで取れたのが勝因」と語った。2試合連続大勝した勢いで次戦も制し、準決勝に駒を進める。【山田愛斗】