全国の頂点がくっきりと見えてきた。静岡学園は4-0で徳島市立に快勝。4試合連続で複数得点&無失点を達成し、23大会ぶり4度目のベスト4入りを果たした。県勢としては、2007年度に準優勝した藤枝東以来、12大会ぶり29度目の準決勝進出となった。

DF阿部健人主将(3年)が、セットプレーから先制点。今大会初得点を挙げた。

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静岡学園が盤石の試合運びを見せた。5バックで守りを固める徳島市立の守備を、セットプレーでこじ開けた。前半16分、阿部がMF井堀二昭(3年)の左CKを頭で合わせて先制点。反対サイドに流れてフリーになり、得点チャンスをつくっていた。4日の前日練習で入念に確認した成果が実り、セットプレーから今大会初得点を挙げた。「練習通り。チャンスが来たら1発で仕留めるつもりだった」と胸を張った。

2試合連続完封中と堅守を誇る相手から、幸先よく先制。さらにFW岩本悠輝(3年)が、前半に2点を追加した。後半30分に3点目を決め、ハットトリックを達成した。今大会の得点数を「5」に伸ばし、得点ランクでトップタイに躍り出た。「(井堀が)初戦でハットトリックしていたので、自分もやりたかった」と白い歯を見せた。

攻守の歯車ががっちりかみ合っている。4試合で15得点無失点。この日、相手のシュートは前半に放った2本のみ。素早い攻守の切り替えでボールを奪い返し、後半はゴールに近づくことすら許さなかった。最終ラインを統率する阿部は「前からガンガン行ってくれるので、後ろは助かっている。無失点が続いているのは、チーム一丸で戦えている証拠」とうなずいた。

チームは6日にいったん、静岡へ戻る。コンディションを整え、11日の準決勝・矢板中央(栃木)戦(埼玉スタジアム、午後2時20分開始)に備える。「改善すべき点がまだある。1週間で調整して、優勝したい」と阿部。24大会ぶりの栄冠へ向けて、勢いは増すばかりだ。【古地真隆】

▽静岡学園の川口修監督 先制点をCKで取れたことに価値がある。選手たちの気持ちも乗った。それでも技術的なミスがまだ多いので、改善したい。

◆静岡県勢の全国高校サッカー4強進出 今回の静岡学園が、12大会ぶり29度目。最近は2007年度の藤枝東。準決勝で高川学園(山口)を退け、決勝で流通経大柏(千葉)に敗れた。過去28度の最終成績は、優勝10度、準優勝10度、準決勝敗退8度。優勝確率は3割5分7厘。静岡学園は過去の3度の4強進出で、優勝、準優勝、準決勝敗退がそれぞれ1度ずつ。4強進出が最も多いのは、藤枝東の12度(優勝4度)。県勢4強進出を10年ごとに分けると、50年度代2度、60年度代4度、70年度代8度、80年度代9度、90年度代4度、00年度代1度、10年度代1度。70~80年度代をピークに減少傾向にある。