J1ベガルタ仙台が新時代に突入した。クラブOBで6季にわたって指揮を執った渡辺晋氏(46)が、昨季限りで監督を退任。新たにJ2モンテディオ山形から木山隆之監督(47)が就任した。主力のほとんどが残留し、骨格を維持したまま大補強。未来につながる新スタイル構築と7年連続2桁順位脱却を目指す。

連載「新時代照らす七つ星~J1仙台新戦力」と題し、今季加入した7選手を紹介する。

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スピードとスタミナ自慢のJ1仙台DFパラ(24)が左サイドの“切り込み隊長”役を担う。身長167センチで小柄だが、縦への推進力が魅力のサイドバックだ。ボールを保持したMFを追い越す動きにたけ、前へ前へ躍動。さらに正確な左足を誇り、セットプレーキッカーに名乗りを上げる。

DF永戸(鹿島アントラーズ)というリーグ最多10アシストを記録したキッカーを失い、新たな得点源として、パラには大きな期待がのしかかる。過去には直接FKを突き刺すなど、キックには絶大な自信を持っているが、技術向上へ繰り返すことの大切さを強調する。「精度を上げるにはとにかく練習あるのみ。監督が求めることを気にしながら試合でパーフェクトに持っていけるようにしたい」と気持ちを高めている。

サガン鳥栖から新加入のMFクエンカは同じ左サイドを主戦場にする。しかし、沖縄キャンプでは別メニュー調整が続き、連係は深められなかった。それでもパラは「簡単にコミュニケーションも取れるし、戦術的にもいろいろと合わせやすい。ベガルタにとってプラスになると信じている」と言葉に力を込める。

参考にしている選手は世界的左サイドバックのマルセロ(レアル・マドリード)とアラバ(バイエルン・ミュンヘン)。「彼らと同じぐらいか、それ以上のパフォーマンスを目指している」と大志を抱く。左サイドとセットプレーから多くの得点を演出し、仙台の救世主になる。【山田愛斗】

◆パラ(アンデルソン・フェレイラ・ダ・シルバ)1995年8月23日生まれ、ブラジル出身。クルゼイロ、アトレチコ・パラナエンセ、ボタフォゴSP(いずれもブラジル)などを経て完全移籍。U-20ブラジル代表経験がある。パラは愛称で、出身地のパラ州から名付けられた。犬6匹を飼っている。167センチ、70キロ。利き足は左。家族は妻と息子。夏ごろに第2子が誕生予定。