J1ベガルタ仙台が新時代に突入した。クラブOBで6季にわたって指揮を執った渡辺晋氏(46)が、昨季限りで監督を退任。新たにJ2モンテディオ山形から木山隆之監督(47)が就任した。主力のほとんどが残留し、骨格を維持したまま大補強。未来につながる新スタイル構築と7年連続2桁順位脱却を目指す。

連載「新時代照らす七つ星~J1仙台新戦力」と題し、今季加入した7選手を紹介する。

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世界基準を誇る元バルセロナのJ1仙台MFイサック・クエンカ(28)は、左サイドを主戦場に華麗なドリブルとキープ力で攻撃にアクセントを加える。「(サイドに)張った位置でのプレーが得意。その中でボールタッチや技術を生かしたい」。若手時代から変わらぬスタイルを貫き、経験を積んで身につけた「試合を読む力」も武器に、ピッチに落ち着きをもたらす。

鳥栖では昨季限りで現役引退した元スペイン代表のトーレス氏の相棒として注目された。「全体を見られるので、常に頭を上げてプレーすることが重要」と相手の間をするする抜ける技術を駆使して、加入1年目で6ゴール。主役級の活躍を披露した。トーレス氏とプレーして「スター選手があの年齢でもすごくプロフェッショナルにやるのは学ぶべきだ」と敬意を払う。

メッシ(バルセロナ)やイニエスタ(神戸)と同じバルセロナの下部組織育ち。「ボールを失わないところ、できるだけ周りを使う意識が、バルサで必要とされるプレー」と力説。周りから古巣の名前を出されることについては「バルサでやっていたのは誇りだし、それを思い出してくれるのはうれしい」と歓迎する。

沖縄キャンプでは別メニュー調整が続き、実力を発揮しきれていないが、今季に向けて「数字的な目標は持たないようにしている。チームに貢献し、試合ごとにやるべきことを意識したい」。バルサ育ちのテクニシャンが攻撃陣に変革をもたらす。【山田愛斗】