なでしこリーグ1部が18日に開幕する。新潟レディースは19日のアウェー・マイナビ戦(宮城・松島フットボールセンター)で今季のスタートを切る。

大黒柱は在籍15年目の元日本女子代表MF上尾野辺めぐみ(34)。若手主体のチームを円熟味のあるプレーでけん引し、悲願のリーグ初制覇を目指す。

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パス回し、シュート、実戦形式。上尾野辺は淡々と、時に笑顔を見せながら練習に取り組む。新潟Lは、20歳代前半が3分の2を占める。「私の役目はみんながやりやすい環境をつくること」。1歩引きながらも、その存在感は全体に落ち着きを与える。

マイナビとの対戦で開幕。「補強した選手がどれだけフィットしているか」。相手の戦力を頭に入れながら「うちはスピード感がある。攻撃の層を厚くしたい」と自信を見せる。昨季は7得点。「今季はまず10得点に絡みたい。ゴールとアシストを合わせて10」と個人目標を掲げた。

新型コロナウイルスの影響による活動停止中は自宅で自主トレ。YouTubeを見て有酸素運動、体幹、筋トレを地道に行った。全体練習が6月から始まっても体力的な不安はない。「ケガをしないようにコンディションを維持するだけ」と仕上がりは順調だ。

新潟一筋で15年目。11年ドイツ女子W杯優勝など、なでしこジャパンで経験を積んできた。「女子サッカー界では別格の存在。今季も攻撃的な位置で力を発揮してもらいたい」と奥山達之監督(44)は信頼を寄せる。リーグ初優勝にかける意欲も衰えない。上野辺は「3位以内につけていって、そこから優勝を狙う」と頂点を見据えた。【斎藤慎一郎】

◆上尾野辺(かみおのべ)めぐみ 1986年(昭61)3月15日生まれ、神奈川県出身。神奈川県商工高では大和シルフィードに所属。武蔵丘短大では04年のインカレ女子で準優勝。06年に新潟Lに入団。17年から新潟Lとプロ契約。157センチ、52キロ。背番号10。