Jリーグは26日、J1名古屋グランパスで選手2名を含む3名から新型コロナウイルス感染症の陽性反応が出たため、同日実施予定だった第7節サンフレッチェ広島戦(エディオンスタジアム広島)の中止を決めた。新型コロナウイルスの影響による中断からリーグ戦を再開して約1カ月、新型コロナの影響による初の公式戦中止となった。

正午前に村井満チェアマン(60)がオンラインで会見を実施。中止を決断した理由を「最終的には濃厚接触者の特定は、名古屋市の保健所の管轄になると聞いているが、今日の夕方から夜にかけて濃厚接触者の判定が出る。(広島に移動済みの)17人は陰性であるものの、濃厚接触者がいるとすれば確実に安全でない状況で試合を行う可能性もあるので、今朝の協議でこの試合は中止しようと決めた次第」と説明した。

陽性判定者が出た場合の試合開催の可否について、Jリーグは再開前に規約などを見直した試合実施要項を作成している。今回はその第13条の3「新型コロナウイルス感染症の影響下での試合開催可否判断方法」の3項「前号(当該試合開催の2日前の正午時点からエントリー開始時点までの間に基準選手人数=GK1名を含む選手14名=に満たない可能性がある場合、当該チームは直ちにJリーグに連絡のうえ、試合合開催に向けて最大限努力しなければならない)の努力にもかかわらず、当該試合の開催が困難であるとチェアマンが判断した場合、当該試合は中止することができる」を踏まえて判断された。

それでも、村井チェアマンは「いくつか今回の件を受けて、ガイドラインの修正なり判断をもう少し丁寧に細かくつめていく必要を認識している」とガイドラインのさらなる見直しを検討する考えを示唆。2週間に1度というJリーグが実施するPCR検査のインターバルなど、あらためて協議を重ねていく方針だ。

27日にはプロ野球と合同で「新型コロナウイルス対策連絡会議」を実施する。村井チェアマンは「陽性判定がクラブから出た場合の扱いは、今回のものを検討の土台としながら、専門家の意見を明日にでも拝聴しつつ、必要に応じて修正する必要がある。1週間の間に3人の感染があった事実から、同一チーム内でさらなる感染の可能性もあるので、2週間のインターバルは、感染が出たクラブでは当面の間、短いインターバルでの検査が必要かと個人的には考えている。その他トレーニングなどについては、具体的に修正すべきものがあるわけじゃないが、必要に応じて協議する可能性があるかもしれない」と専門家チームから意見を仰ぐ考え。必要と判断すれば、新型コロナ会議後に臨時の実行委員会を開催する方針だ。