Jリーグは27日、プロ野球と合同で「第12回新型コロナウイルス対策連絡会議」をオンライン上で開催した。前日26日にはJ1名古屋グランパスで選手2人を含む3人の感染が判明し、同日のサンフレッチェ広島戦(エディオンスタジアム広島)がリーグ再開後では初となる新型コロナの影響による中止に。その事態を受け、会議では専門家チームの愛知医科大・三鴨広繁氏から3つの提言を受けた。

(1)移動時の食事の自粛 24日に陽性判定を受けた名古屋DF宮原和也が22日の大分戦翌日の23日、大分から名古屋へとチームで移動した際の、新幹線車内での事象に着目。三鴨氏は「隣に座っていた選手だと思うが、またはスタッフがお弁当を食べられたと。15分以内とはいえ、保健所はリストに挙げなかったが、名古屋市の行政は濃厚接触もありえるとのスタンスを示した」と説明。食事を取るということはマスクを着用していないことになるだけに「移動の時は新幹線あるいはバスでのお食事は、可能な限り避けていただくことが、選手、チーム、リーグを守るには重要と示唆される事象」と求めた。

(2)ガイドラインの修正 26日に新たに感染が判明したMF渡辺柊斗とトップチームスタッフとの濃厚接触者の特定が、試合前に間に合わない可能性が高かったことが広島戦中止の原因になった。三鴨氏は「具体的にPCR検査の結果が判明したのが(25日)22時で、即座に保健所に届けられたが、濃厚接触者のリストアップは翌日からなので、今後も間に合わないことはありえる。リストアップが遅れた時に試合をどうするかはマニュアルに記載がないので、記載してはどうかと申し上げた」と、ガイドラインに追記する必要性を口にした。

(3)自主的PCR検査の推奨 名古屋は8月1日の次戦柏戦(豊田ス)までにクラブ独自のPCR検査を27日と29日の2回実施し、31日にはJリーグの公式検査も受ける。三鴨氏は「チーム、選手、そしてスポーツ文化を守ることから、8月1日の次の試合を実施するために、PCR検査を100人に対して行うと(名古屋が)リリースされている。特に自主的PCR検査についての方向が示されているわけじゃないので、検討に入ってはどうか」との意見を示した。

専門家チームの提言を受け、オンライン上での会見に臨んだJリーグの村井満チェアマン(60)は「どれぐらいのインターバルで自主的な検査をするか、リーグとしてサポートするかの観点、直前での陽性判定で保健所の濃厚接触者の定義が試合開催に間に合うかなど、ギリギリのところでのガイドラインの見直しについては、問題提起を今日いただいたので、先生方と連携しながらリーグでとりまとめたい」と、検討を重ねていく考え。加えて、新たな検査手法との組み合わせも、今後の検討案件に加える意向も示した。会議後には臨時の実行委員会を開いて会議の内容を共有し、入場者数の制限に関しては8月末までは政府方針に従って現行の「上限5000人もしくは収容人数の50%の少ない方」を維持する方針を全クラブに伝える予定だ。