昨冬の全国高校サッカー選手権で県勢初のベスト4入りを果たした帝京長岡(新潟)が15日、「ULTIMA(アルティマ)FOOTBALL LEAGUE」第2戦、ホームで昌平(埼玉)と対戦。1-2で敗れ、通算成績は1勝1敗となった。前半30分にMF佐竹宏太(3年)のミドルシュートで先制したが、後半に2つのセットプレーで逆転を許した。テクニックにこだわりを持つ全国の強豪5校が参加する大会。多くのサッカーファンが観戦する中、真夏の真剣勝負が繰り広げられた。

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ゴールエリア外から佐竹が豪快ミドルを突き刺した。前半30分、中学時代からコンビを組むMF糸永誠也(3年)からの横パスを受けると右足を迷わず振り抜いた。「練習している形が出せた」。第1戦(11日)の尚志戦に続く2戦連発の先制弾。目が覚めるような一撃が左サイドネットに吸い込まれた瞬間、笑顔が輝いた。

佐竹は後半6分にもスルーパスでチャンスを演出。相手GKのビッグセーブで追加点演出とはならなかったが、後半20分に交代するまでストロングポイントであるスピードを生かし、右サイドから多くの好機を作り出した。「90分走り切る力をつけないと。もっと成長したい」。“本職”はセンターバックだが、今春に攻撃的なポジションにコンバート。「相手のレベルが上がるとまだ通用しない。次の興国戦ではもっと攻撃的にいきたい」と意気込む。

高校年代トップレベルの技巧派5チームが集まり、テクニックを存分に発揮しながら勝負にこだわるリーグ戦。当初は3月開幕予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕が延期。予防に徹底した中、7月23日に開催を迎えた。帝京長岡の谷口哲朗総監督は「この時期に全国の強豪校と真剣勝負ができることは選手にとっていいこと。3年生の進路にも関わる大会になっている」。この日もJクラブや大学の多くのスカウトらが会場を訪れた。

「サッカーで大学に行きたい。その意味でも大事な大会。そして選手権でプレーするためのアピールの場。ただの大会じゃない」。昨冬、チームが県勢初の4強に進出した選手権ではメンバー外だった。憧れのピッチに立つため、佐竹が右サイドを駆け上がる。【小林忠】

◆佐竹宏太(さたけ・こうた)2002年(平14)5月27日生まれ、愛知県出身。愛知・刈谷JY-帝京長岡。当たり負けしない体作りのため、コロナ禍による休校中に筋トレに励み、体重を62キロから67キロにアップさせた。174センチ。

◆アルティマ・フットボール・リーグ 昨冬の98回全国高校選手権ベスト4の帝京長岡、同大会優勝の静岡学園(静岡)、同大会ベスト8の昌平(埼玉)に、97回全国高校選手権ベスト4の尚志(福島)、プロ入り3人内定の興国(大阪)の5チームが参加(昨夏全国高校総体優勝の神奈川・桐光学園は出場辞退)。7月23日から10月10日まで試合を予定している。90分ゲームによる総当たり戦。将来的にはU-15、16大会発足や海外チームを誘致してのカップ戦、ULTIMA選抜での海外遠征プランも計画されている。