J2ジュビロ磐田が新指揮官のもとで再始動した。クラブは2日、フベロ前監督(46)の退任と、鈴木政一監督(65)と服部年宏コーチ(47)の就任を発表。鈴木氏は4日のホーム京都戦に備え、試合会場の袋井市・エコパスタジアムで練習の指導を始めた。監督を務めるのは16年ぶり3度目。2002年(平14)にJ1制覇を成し遂げた手腕を発揮し、1年でのJ1復帰に向けてチームを再建する。

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鈴木新監督の指導にも熱がこもっていた。練習前には選手の前で約10分間のミーティングを実施。練習中は身ぶり手ぶりを交え、熱血ぶりが際立った。最後はハーフコートで8対8のゲームを行うなど、初日から約2時間のメニューを消化。練習後は「ビックリするほど選手がアグレッシブだった」と満足げだった。

チーム立て直しへのテーマは守備の再構築だ。今季は23試合28失点。この日も「守備を意識させた」。試合を想定した中でのボール回しを行い、ポジショニングなどの基本を確認。元日本代表MFの服部コーチを入閣させたのは、守備を安定させる狙いがある。指揮官は「服部コーチは守備のスペシャリスト。彼のアドバイスを聞いて学んでほしい」と期待を込めた。

再建を託された鈴木氏が強調するのは「クラブ愛」だ。「僕はジュビロに育ててもらった」。現役時代はヤマハでプレー。指導者としては02年に史上初となる両ステージ制覇の「完全V」を達成した。復権に懸ける思いは誰よりも強い。

今季は残り19試合。J1自動昇格圏の2位北九州とは勝ち点15差で、J1復帰は厳しい状況だが、「毎試合勝利にこだわる」と力を込めた。京都戦がクラブにとってもリスタートの一戦。まずは初陣を勝利で飾り、巻き返しへ弾みをつける。【神谷亮磨】