北海道コンサドーレ札幌は19日、MF檀崎竜孔(20)がオーストラリアAリーグ(1部)ブリスベンに期限付き移籍することを発表した。

期間はシーズンが終了する6月30日まで。青森山田で全国高校選手権優勝を果たし、19年に札幌入り。将来を担うプロ2年目の若武者が、海外へ挑戦する。

  ◇  ◇  ◇

檀崎は2シーズンを過ごした札幌・宮の沢で移籍前最後の練習を終えると、先輩、スタッフらのエールにうれしそうに応えた。練習の手締めの音頭は、チーム最年少の役目。この日も力強く手をたたき、締めくくった。これから始まる挑戦に「とても今楽しみ。ウキウキしている」と、期待で胸を膨らませた。

南半球からオファーが舞い込んだのは1カ月ほど前。もともと海外志向はあった。しかし高校日本一になり自信を持って入ったプロの世界では苦しんだ。だから「こんな早くからチャンスが来た」と本人も驚いた。「すごくいい機会だと思ったし、このチャンスをつかみたいと思って迷うことなく決断した」。困難な挑戦とわかっていても、答えは決まっていた。

札幌ではレギュラー争いに勝てなかった。1年目は前線3人の一角、今季はサイドで出場機会を狙ったが、J1通算3試合無得点。唯一の得点は昨季ルヴァン杯湘南戦の1ゴールのみ。「ここ(札幌)で結果を残せなかった悔しい思いがある」。新天地では主力の座をつかみ取るつもりだ。

ブリスベンはオーストラリアAリーグで、レギュラーシーズン2度、ファイナルシリーズ3度優勝し、ACL出場経験もある強豪。今季リーグは12月27日に開幕する。檀崎は22日に出国し、オーストラリア入国後2週間の隔離期間を過ごしチームに合流する予定だ。すでに同リーグでのプレー経験がある元札幌MF小野伸二(現琉球)に相談。内容は明かさなかったが「レジェンドからいいアドバイスをもらった」とニヤリ。「まずは試合に出て活躍することしか今は頭にない」。成長した姿を日本、北海道に届ける。【保坂果那】