川崎フロンターレが、史上最速となる4試合を残しての2年ぶり3度目Vを決めた。終盤は足踏みしたが、シーズン中に10連勝と12連勝を達成するなど、圧倒的な強さで数々の記録を打ち立てた。


2020年、川崎Fの優勝までの道のりを振り返る。


川崎F対G大阪 優勝シャーレを掲げ歓喜する川崎F鬼木監督(中央)(撮影・江口和貴)
川崎F対G大阪 優勝シャーレを掲げ歓喜する川崎F鬼木監督(中央)(撮影・江口和貴)

【第1節】<明治安田生命J1:川崎F0-0鳥栖>◇2月22日◇等々力

川崎フロンターレとサガン鳥栖の両チームとも決め手を欠き、スコアレスドローに終わった。

前半はホーム川崎Fが主導権を握った。5分には右サイドのFKにFW家長が頭で合わせたがクロスバーのわずかに上へ。同12分には家長の右クロスをFWレアンドロ・ダミアンが中央でダイレクトボレーを放ったが、これもクロスバーの上を超えた。鳥栖はスピードを生かした速攻で好機を演出したが得点は奪えず、前半は0-0で終了した。

後半4分、ゴール前でのルーズボールにFWレアンドロ・ダミアンが右足を伸ばしてゴールネットを揺らしたが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)でオフサイドの判定に変更。得点は取り消された。鳥栖は同19分にMF原川が強烈なシュートを放つなど攻勢を仕掛けたが得点は奪えず、勝ち点1を分け合った。


【第2節】<明治安田生命J1:川崎F2-1鹿島>◇7月4日◇等々力

川崎フロンターレは5人の交代枠を使い切り、今季初勝利を手にした。

前半2分に左のショートコーナーから新主将のDF谷口が先制ゴールを決め、同30分に長谷川が追加点。猛攻をしのいで鹿島戦9戦連続負けなしとした。無観客、給水タイムなど新型コロナの影響による変更点があった中での白星に、鬼木監督は「難しいなというのが正直な気持ち。スクランブルになると思うが、勝ちながら成長させたい」と語った。

川崎F対鹿島 前半、チーム2点目のゴールを決め笑顔を見せる川崎F長谷川(右)(撮影・河野匠)
川崎F対鹿島 前半、チーム2点目のゴールを決め笑顔を見せる川崎F長谷川(右)(撮影・河野匠)

【第3節】<明治安田生命J1:東京0-4川崎F>◇7月8日◇味スタ

川崎フロンターレがアウェーでFC東京に完勝し、多摩川クラシコを制した。

前半17分にMF大島のゴールで先制すると、立て続けにFWレアンドロ・ダミアン、MF長谷川が2試合連続ゴールとなる2得点を決め、前半だけで4点のリードを奪った。

東京は流れを変えるべく、後半開始から2選手を交代。最終的に5人の交代枠をすべて使ったが、なかなか流れを引き寄せることができず、今季初黒星を喫した。 川崎Fは危なげない試合運びで2連勝を飾った。

J1第3節 東京対川崎F 前半、ゴールを決め両手を広げる川崎FのMF長谷川(中央)(撮影・河田真司)
J1第3節 東京対川崎F 前半、ゴールを決め両手を広げる川崎FのMF長谷川(中央)(撮影・河田真司)

【第4節】<明治安田生命J1:川崎F3-1柏>◇7月11日◇等々力

ホームに柏レイソルを迎えた川崎フロンターレは、前半にMF家長昭博(34)が4シーズンぶりの1試合2得点。後半にもFWレアンドロ・ダミアンが2試合連続得点をマーク。4724人の観客の前で3-1で3連勝を飾り、暫定首位に浮上した。


【第5節】<明治安田生命J1:横浜FC1-5川崎F>◇7月18日◇ニッパツ

川崎フロンターレが5得点で4連勝を飾り、首位の座を守った。川崎Fは同28分、FWレアンドロ・ダミアンのヘディングシュートがバーに当たった跳ね返りをMF脇坂が冷静に右足で合わせて先制した。

後半は開始から横浜FCが攻勢を仕掛け、同14分にMF松尾のシュートがDF田代に当たって同点ゴールになった。川崎Fは右膝の手術から復帰して後半15分から出場したFW小林が、同30分にPKを決めて勝ち越しに成功。その後はMF家長とFW小林のこの日2点目で突き放し、アディショナルタイムにはDF谷口がCKを頭で合わせた。

横浜FC対川崎F 前半、先制ゴールを決めグータッチをする川崎F・MF脇坂(中央)(撮影・河田真司)
横浜FC対川崎F 前半、先制ゴールを決めグータッチをする川崎F・MF脇坂(中央)(撮影・河田真司)

【第6節】<明治安田生命J1:仙台2-3川崎F>◇7月22日◇ユアスタ

川崎フロンターレが逆転勝ちで5連勝を飾り、首位の座をキープした。前半30分、ベガルタ仙台は相手パスカットから最後はFW長沢が決めて先制。8分後にはMF道渕のミドルシュートで加点し、2点リードで前半を終えた。

川崎Fは後半開始からFW小林とFW旗手を投入すると、同13分にはその2人で得点。その1分後にDF山根の移籍初得点で追いつくと、同23分には小林が2試合連続2得点となる決勝ゴールを決めた。川崎Fは4試合連続3得点以上と、自慢の攻撃力を見せつけた。

仙台対川崎F 後半、ゴールを決める川崎F・FW小林(右)(撮影・鈴木みどり)
仙台対川崎F 後半、ゴールを決める川崎F・FW小林(右)(撮影・鈴木みどり)

【第7節】<明治安田生命J1:川崎F3-1湘南>◇7月26日◇等々力

川崎フロンターレがクラブ新記録となる5試合連続3得点以上を挙げての逆転勝ちで、クラブタイ記録の6連勝で首位を守った。

前半から主導権を握り、今季初スタメンのFW小林を中心に湘南ベルマーレゴールを襲った。前半25分に放ったヘディングシュートは相手GKの好セーブに阻まれた。湘南も粘り強い守備で踏ん張り、スコアレスドローで前半を終えた。

後半に試合が動いた。同12分、後半から入ったFWタリクが右クロスにダイレクトボレーで合わせて先制。その4分後、川崎FはカウンターからDF山根が2試合連続ゴールで同点。同33分には途中出場のMF三笘が決勝点となるプロ初ゴール。同43分には途中出場のMF田中がダメ押しとなる今季初ゴールを決めた。

川崎F対湘南 後半、同点ゴールを決め笑顔を見せる川崎F・DF山根(撮影・江口和貴)
川崎F対湘南 後半、同点ゴールを決め笑顔を見せる川崎F・DF山根(撮影・江口和貴)

【第8節】<明治安田生命J1:G大阪0-1川崎F>◇8月1日◇ノエスタ

ここまで4連勝中の2位ガンバ大阪と、同じく6連勝中の首位川崎フロンターレが対戦。序盤の大一番らしく互いに1歩も引かない展開となったが、川崎Fがクラブ新の7連勝を飾った。

試合は後半3分、川崎FがMF大島の技ありゴールで先制した。後半開始から投入されたMF三笘とのパス交換から、大島が右足をダイレクトで振り抜いた。

ともにボール保持をしながら攻め込むスタイルで、前半に決定機を迎えたのがG大阪。20分、川崎F・DF山根のパスミスを拾ったMF小野瀬が右足でシュートを放つが、右ポストに直撃して決定機をものにできなかった。川崎Fも決定機はあったが、最後のシュート場面で相手のブロックに阻止された。

G大阪対川崎F 後半、先制ゴールを決めた川崎F・MF大島(中央左)はMF田中と抱き合って喜ぶ(撮影・前田充)
G大阪対川崎F 後半、先制ゴールを決めた川崎F・MF大島(中央左)はMF田中と抱き合って喜ぶ(撮影・前田充)

【第9節】<明治安田生命J1:川崎F2-0大分>◇8月8日◇等々力

川崎フロンターレがJ1でのクラブ記録を伸ばす8連勝で、無敗のまま首位の座を守った。

前半5分、川崎Fはリーグ戦初先発のMF三笘が5日のルヴァン杯鹿島戦に続く公式戦2試合連続ゴールで先制。同24分には相手のパスミスからFWレアンドロ・ダミアンが追加点を挙げ、2-0で前半を終えた。

後半も川崎Fが主導権を握った。3点目こそ奪えなかったが、守備陣がしっかり無失点に抑えて完勝。開幕から9戦8勝1分けで勝ち点を25とし、年間34試合制の05年以降では18年に広島が樹立した開幕9戦時の最多勝ち点記録に並んだ。

川崎F対大分 前半、ゴールを決め雄たけびを上げる川崎F・FWダミアン(左)とFW小林(撮影・河田真司)
川崎F対大分 前半、ゴールを決め雄たけびを上げる川崎F・FWダミアン(左)とFW小林(撮影・河田真司)

【第10節】<明治安田生命J1:札幌1-6川崎F>◇8月15日◇札幌ド

首位の川崎フロンターレが北海道コンサドーレ札幌を下し、リーグ戦連勝を9に伸ばした。

前節から先発6人を入れ替えた川崎Fは前半35分に右サイドからのFKでMF脇坂が浮かせたボールをDF車屋がヘディングで先制。後半5分には後半途中出場の大卒新人MF三笘が公式戦4戦連続弾、5分後にはFWレアンドロ・ダミアンが3点目を挙げた。

札幌は0-3の後半14分に選手交代でDF登録の選手を外す攻撃的戦術を図ったが、同18分に三笘に4点目を決めらた。同34分にFWジェイの今季リーグ戦初ゴールで1点を返すも、8分後には後半途中出場のFW小林に5点目、同ロスタイムには再び小林に6点目を決められ力尽きた。

札幌対川崎F 前半35分、ヘディングシュートを決め叫ぶ川崎FDF車屋(撮影・黒川智章)
札幌対川崎F 前半35分、ヘディングシュートを決め叫ぶ川崎FDF車屋(撮影・黒川智章)

【第11節】<明治安田生命J1:川崎F5-2C大阪>◇8月19日◇等々力

首位川崎フロンターレが2位セレッソ大阪に逆転勝ちし、J1での同一シーズンの90分試合では初の10連勝を達成した。

C大阪は前半7分、カウンターからFWブルーノ・メンデスが先制ゴールを挙げた。首位の川崎Fは同21分、MF脇坂がペナルティーエリア左角から直接FKを決めて追いついた。同42分にはMF家長が自ら得たPKを決め、2-1の川崎Fリードで前半を終えた。

後半8分、川崎FはFW小林のゴールで追加点。C大阪も同13分にFKから最後はDF瀬古が押し込んで1点を返した。だが、川崎FはMF三笘のリーグ戦3試合連続ゴール、FW小林、FWダミアンの得点でC大阪を突き放した。

川崎F対C大阪 前半、PKを決めて仲間の祝福を受ける川崎F・FW家長(左から2人目)(撮影・丹羽敏通)
川崎F対C大阪 前半、PKを決めて仲間の祝福を受ける川崎F・FW家長(左から2人目)(撮影・丹羽敏通)

【第12節】<明治安田生命J1:名古屋1-0川崎F>◇第12節◇8月23日◇豊田ス

首位川崎フロンターレが今季公式戦15試合目にして初黒星を喫し、リーグ戦の連勝が10でストップした。

前半から両チームとも何度か好機をつくる中、先制したのは名古屋グランパスだった。前半44分、FWマテウスの左クロスをFW金崎が頭で合わせて今季初得点を挙げた。

後半は1点を追う川崎Fが主導権を握ったが、ゴールは奪えない。後半28分には3試合連続ゴール中だったMF三笘が左足首を痛めて負傷交代のアクシデント。その後も攻め立てたものの、リーグ最少失点の名古屋守備陣を崩せなかった。


【第24節】<明治安田生命J1:神戸2-2川崎F>◇8月26日◇ノエスタ

ヴィッセル神戸と首位川崎フロンターレの対決は、両者真っ向からぶつかり、引き分けに終わった。

川崎Fは1-2で迎えた後半30分、FW旗手がMF三笘のパスを胸トラップから左ボレーで同点ゴールを決める。これがJリーグ初得点となった。

神戸は1-1で迎えた前半42分、DFダンクレーがドリブルで持ち上がり、クロスを受けたFWドウグラスが頭で一時は勝ち越しとなるゴールを決めていた。

先制は川崎Fで前半23分、MF大島が巧みなフェイントから右足で今季3点目を挙げた。神戸も同30分、MF山口のクロスを、DF西が右足で直接ゴール右へ決めて同点とした。

神戸は負傷のMFイニエスタを2試合連続で欠きながら、ホームでの連敗を3で止めたが、今季初めてとなる連勝を逃した。


【第13節】<明治安田生命J1:川崎F5-0清水>◇8月29日◇等々力

首位川崎フロンターレが清水エスパルスを圧倒した。

開始から川崎Fが主導権を握って何度も清水ゴールを襲う。前半21分、清水守備陣のミスからボールを奪うと最後はFW旗手が2試合連続ゴールを決めて先制。その後も攻め立てたが、前半は1-0で終えた。

後半も川崎Fペースで試合は進む。同6分にはFWレアンドロ・ダミアンのゴールで追加点を奪った。後半40分には左膝手術から復帰したMF中村が今季初得点を挙げるなど、攻撃陣が5点を奪って快勝した。

川崎F対清水 勝利しダンディ坂野の「ゲッツポーズ」を決める川崎F・MF中村(撮影・足立雅史)
川崎F対清水 勝利しダンディ坂野の「ゲッツポーズ」を決める川崎F・MF中村(撮影・足立雅史)

【第14節】<明治安田生命J1:横浜1-3川崎F>◇9月5日◇日産ス

首位の川崎フロンターレが逆転勝ちで、昨季王者の横浜F・マリノスを破った。

先制したのはホームの横浜だった。前半2分、右サイドから攻め込むと最後はMFマルコス・ジュニオールがゴール左隅にゴールを決めた。川崎Fは同33分、MF三笘の2試合連続ゴールで同点に追いついた。

後半3分、川崎FはMF大島の左クロスをMF家長が合わせて勝ち越しに成功。その2分後には、MF三笘がこの日2点目を挙げて突き放した。そのまま2点のリードを守り切り、神奈川ダービーを制した。

横浜対川崎F 後半、ゴールを決める川崎F・MF三笘(撮影・足立雅史)
横浜対川崎F 後半、ゴールを決める川崎F・MF三笘(撮影・足立雅史)

【第15節】<明治安田生命J1:川崎F3-2神戸>◇9月9日◇等々力

首位の川崎フロンターレが逆転勝利で3連勝を飾った。

前半7分、ゴール正面からMF守田が放ったシュートを、神戸DF渡部がハンド。PKをFW小林がゴール左に決めた。神戸は同23分、FW藤本のスルーパスをFW古橋が決めて追いついて前半終了。

後半14分、神戸はMF山口の右クロスをFW藤本が合わせて勝ち越しに成功。川崎Fは後半38分にFWレアンドロ・ダミアンが自ら得たPKを決め、同40分にはFW宮代がJ1リーグ戦初ゴールとなる決勝点を挙げた。

川崎F対神戸 前半、PKでゴールを奪いエルボータッチをする川崎F・FW小林(右から2人目)(撮影・横山健太)
川崎F対神戸 前半、PKでゴールを奪いエルボータッチをする川崎F・FW小林(右から2人目)(撮影・横山健太)

【第16節】<明治安田生命J1:川崎F5-1広島>◇9月13日◇等々力

首位の川崎フロンターレがサンフレッチェ広島に快勝し、クラブ新記録となる同一シーズンでのホーム8連勝をマークした。

川崎Fは前半14分、リーグ戦4試合ぶりにスタメンのMF田中がDF山根とのワンツーから先制ゴールを決めた。広島も好機はつくったものの得点には至らず、前半は川崎Fの1点リードで終えた。

後半開始から、川崎Fがゴールラッシュを見せた。同2分、後半開始から出場したMF三笘のドリブル突破から最後はFWレアンドロ・ダミアンが追加点。同5分にはDF山村のミドルシュート、同6分にはMF田中のこの日2得点目と、4分間で3得点。同43分には途中出場のFW小林がPKを決めた。広島は終了間際にFW浅野のゴールで1点を返したが、連勝は2でストップした。

川崎F対広島 後半、PKを決める川崎F・FW小林。広島GK大迫(撮影・中島郁夫)
川崎F対広島 後半、PKを決める川崎F・FW小林。広島GK大迫(撮影・中島郁夫)

【第17節】<明治安田生命J1:浦和0-3川崎F>◇9月20日◇埼玉

ホームの浦和レッズが完封負けし、首位独走の川崎フロンターレの勢いを止められなかった。

試合開始から前線からの激しい相手守備でボールを奪われる苦しい展開。何とかカウンター攻撃だから打開しようとしたが、前半37分、川崎FにFW家長の浮き球パスからDF山根の右ボレーシュートで先制点を奪われ、前半を0-1で折り返した。さらに後半5分には、川崎FのFW小林に5年連続2ケタ得点となる今季通算10得点目の追加点を許し、引き離されてしまった。

浦和対川崎F 後半、ゴールを決めた川崎F・FW小林は笑顔で雄たけびを上げる(撮影・浅見桂子)
浦和対川崎F 後半、ゴールを決めた川崎F・FW小林は笑顔で雄たけびを上げる(撮影・浅見桂子)

【第18節】<明治安田生命J1:川崎F3-2横浜FC>◇9月23日◇等々力

首位の川崎フロンターレが今季2度目の6連勝を決め、勝ち点を50に乗せた。

前半22分、今季初先発のMF中村のCKから最後はMF田中が先制ゴールを決めた。その後も横浜FCゴールを何度も脅かしたが追加点は奪えず、川崎Fの1点リードで前半を終えた。

後半は得点の奪い合いになった。同1分に川崎FがFW旗手のゴールで追加点。横浜FCは同3分にMF中村のCKをDF小林が押し込んで1点を返したが、同22分に川崎Fが旗手のこの日2点目で突き放した。横浜FCは同29分にMF佐藤のゴールで再び1点差に迫ったが、そのまま試合終了を迎えた。

川崎F対横浜FC 前半、MF田中(左から3人目)が先制ゴールを決めゆりかごダンスする川崎Fイレブン(撮影・江口和貴)
川崎F対横浜FC 前半、MF田中(左から3人目)が先制ゴールを決めゆりかごダンスする川崎Fイレブン(撮影・江口和貴)

【第19節】<明治安田生命J1:湘南0-1川崎F>◇9月27日◇BMWス

アウェーの川崎フロンターレが1-0で湘南ベルマーレを下し、7連勝を飾った。

川崎Fは、故障などで前節鹿島戦から3バックの2人が変更された湘南のDFラインに対し、細かいパスをつなぎながらの徐々に相手エリアに攻め込んだ。

前半18分、ペナルティーエリア右に浸入していたFW家長からの右クロスをFW小林がヘッドで合わせて先制ゴールを奪ってリード。

降雨となった後半は滑りやすいピッチでも試合を優位に進め、後半17分から途中出場したMF三笘がスピードを生かした攻撃で相手ゴールを脅かした。

湘南対川崎F 後半、川崎F・FW家長昭博(右)は湘南MF鈴木の激しいマークを受ける(撮影・垰建太)
湘南対川崎F 後半、川崎F・FW家長昭博(右)は湘南MF鈴木の激しいマークを受ける(撮影・垰建太)

【第20節】<明治安田生命J1:C大阪1-3川崎F>◇10月3日◇ヤンマー

セレッソ大阪が、首位の川崎フロンターレを直接たたく最後のチャンスで惨敗した。

前半37分にオウンゴールで先制を許した。しかし後半17分、C大阪は右サイドのDF松田から絶妙のクロスをFW奥埜が頭で決めて同点に追いついた。

川崎Fは後半38分、交代で入ったばかりのFWレアンドロ・ダミアンが勝ち越しゴール。直後の39分、ゴール前の混戦からMF三笘のゴールで3点目を奪い、一気に突き放した。

C大阪は勝ち点差を詰めたかった一戦で、逆に14差まで広げられた。何とか望みをつなげたかったが厳しい現実を突きつけられた。

C大阪対川崎F 前半、川崎FMF脇坂(右)のシュートしたボールをC大阪がオウンゴール(撮影・加藤哉)
C大阪対川崎F 前半、川崎FMF脇坂(右)のシュートしたボールをC大阪がオウンゴール(撮影・加藤哉)

【第21節】<明治安田生命J1:川崎F1-0仙台>◇10月10日◇等々力

川崎フロンターレが今季2度目の9連勝を決めた。

開始から積極的に攻め続けた川崎Fは前半41分、スルーパスに抜け出したFW小林が冷静に流し込んで先制した。守備を固めるベガルタ仙台は相手ゴールを攻め込めず、前半は川崎Fの1点リードで終了した。

後半も川崎Fが主導権を握った。同6分にMF中村が放ったFKはクロスバーを直撃。同13分のFW小林のシュートはポストに阻まれた。仙台は終盤に攻勢を仕掛け、同35分に途中出場のFW長沢がヘディングシュートを放つがクロスバーを直撃。川崎Fゴールをこじあけられなかった。

川崎F対仙台 前半、ゴールを決める川崎F・FW小林(左奥)(撮影・浅見桂子)
川崎F対仙台 前半、ゴールを決める川崎F・FW小林(左奥)(撮影・浅見桂子)

【第22節】<明治安田生命J1:広島0-2川崎F>◇10月14日◇Eスタ

首位の川崎フロンターレが今季2度目の10連勝を飾った。

前半は両チームとも、相手ゴールを脅かした。ホームのサンフレッチェ広島は前半24分にMF浅野がドリブルで攻めあがってシュートを放つも、相手GKがセーブ。川崎Fも同43分にFWレアンドロ・ダミアンが放ったシュートはクロスバーを直撃。0-0で前半は終了した。

後半11分、川崎FはDF登里の左クロスをFWレアンドロ・ダミアンが頭で合わせて先制。広島も攻勢に出たが、終了間際に途中出場のMF三笘がダメ押しゴール。J1の新人では史上5人目となる2ケタ得点を挙げた。

広島対川崎F、後半、ゴールを決めた川崎F・MF三苫薫(撮影・加藤孝規)
広島対川崎F、後半、ゴールを決めた川崎F・MF三苫薫(撮影・加藤孝規)

【第23節】<明治安田生命J1:川崎F3-0名古屋>◇10月18日◇等々力

川崎フロンターレがセットプレーから3点を挙げた。

前半44分、右CKを三笘が詰めて先制。後半12分、左FKからジェジエウのヘディングが相手に当たって入り、同20分に左CKから再びジェジエウが決めた。名古屋グランパスは相手を崩し切れず無得点。

川崎F対名古屋 後半、チーム3点目のゴールをヘディングで決めた川崎F・DFジェジエウ(中央)(撮影・河野匠)
川崎F対名古屋 後半、チーム3点目のゴールをヘディングで決めた川崎F・DFジェジエウ(中央)(撮影・河野匠)

【第25節】<明治安田生命J1:川崎F2-1東京>◇10月31日◇等々力

川崎フロンターレのホームで行われた“多摩川クラシコ”は、2-1で川崎Fが制した。

先制点は川崎F。前半23分にFWレアンドロ・ダミアンがペナルティーエリア内で倒されPKを獲得。これをMF家長昭博が右へ冷静に決めた。

後半12分にFC東京が追いつく。ペナルティーエリア内の左よりでパスを受けたFWディエゴ・オリベイラがライン際まで進入し、角度のないところから左足で強引に決めた。

後半29分に川崎Fがふたたびリードを奪う。右サイドを切り込んだMF三笘薫の折り返しにMF中村憲剛が左足ダイレクトで合わせた。中村はこの日が40歳の誕生日。バースデーゴールは貴重な勝ち越し弾となった。

川崎F対東京 後半、ゴールを決め笑顔を見せる川崎F・MF中村(左から2人目)らイレブン(撮影・足立雅史)
川崎F対東京 後半、ゴールを決め笑顔を見せる川崎F・MF中村(左から2人目)らイレブン(撮影・足立雅史)

【第26節】<明治安田生命J1:川崎F0-2札幌>◇11月3日◇等々力

MF中村憲剛(40)の引退発表後初の試合で、川崎フロンターレは北海道コンサドーレ札幌に完敗し、更新中だったJ1連勝記録は12で止まった。

立ち上がりから攻め込まれる展開が続き、ボールを保持しても簡単に失う場面が多かった。前半はなんとか0-0で折り返したが、後半に入ると試合が動いた。

札幌は後半16分、FWアンデルソン・ロペスとドウグラス・オリヴェイラを投入。直後の17分、MF駒井が敵陣深くでボールを奪うと、パスを受けたアンデルソン・ロペスが左足で先制点を決めた。

2分後の後半19分には、札幌がセンターサークル付近で2人がかりでボールを奪い、左サイドを突破したドウグラス・オリヴェイラのグラウンダークロスを、ファーサイドのMF荒野が流し込んだ。

2点を追う川崎Fは、後半25分にMF中村を投入した。終盤は猛攻を仕掛けたが攻撃がかみ合わず、今季リーグ戦2度目の黒星を喫した。

川崎F対札幌 後半、途中出場する川崎F・MF中村(撮影・滝沢徹郎)
川崎F対札幌 後半、途中出場する川崎F・MF中村(撮影・滝沢徹郎)

【第27節】<明治安田生命J1:鹿島1-1川崎F>◇11月14日◇カシマ

鹿島アントラーズと川崎フロンターレは1-1の引き分けに終わった。

鹿島は午前中にDF永戸が新型コロナウイルスで陽性となり、濃厚接触者6人を特定した上で、試合開催となった。

川崎Fは前半18分、鹿島のバックパスをMF脇坂がカットしそのままゴールへドリブル。ペナルティーアーク付近から右足を振り抜き、先制に成功する。

鹿島は後半30分、DF広瀬のクロスからFWエヴェラウドがヘディングシュート。GKがはね返したところを再びエヴェラウドが右足で流し込み今季15ゴール目。同点に追いついた。

ロスタイムには鹿島MF三竿がレッドカードで退場になったが、互いに決定機を決めきれずドローに終わった。

鹿島対川崎F 前半18分、ゴールを決めた川崎F・MF脇坂は、MF中村と抱き合って喜ぶ(撮影・たえ見朱実)
鹿島対川崎F 前半18分、ゴールを決めた川崎F・MF脇坂は、MF中村と抱き合って喜ぶ(撮影・たえ見朱実)

【第30節】<明治安田生命J1:川崎F3-1横浜>◇11月18日◇等々力

川崎フロンターレと横浜F・マリノスの神奈川ダービーは白熱した展開となり、川崎Fが後半45分とロスタイムの得点で3戦ぶりの勝利を飾った。

前半39分、川崎F・MF田中のロングフィードに抜け出したMF斉藤が、相手DFと入れ替わった。横浜GK高丘と1対1になった斎藤はループシュートを狙ったが、勢い余ってペナルティーエリア外に出てしまった高丘が、思わず手を使ってシュートをストップ。このプレーで高丘は退場となり、急きょ控えのGKオビがピッチに立った。

前半はそのまま0-0で折り返したが、後半試合が動いた。川崎Fは後半開始からMF三笘をピッチへ。すると同8分、三笘はゴール前でクリアボールをダイレクトで流し込み、先制点を奪った。

しかし後半14分、横浜はDFティーラトンの右CKからDF畠中がヘディングで同点弾をたたき込んだ。再び振り出しに戻った試合は白熱し、さらに川崎F鬼木監督は負傷で約1カ月離脱していたエースFW小林をピッチへ送り込んだ。

猛攻を仕掛けた川崎Fは、後半45分にMF旗手の右クロスを相手DFがクリアしたところを、DFジェジエウが流し込んで勝ち越しに成功した。同ロスタイムにはMF三笘のカウンターから小林の復帰弾も生まれ、川崎Fは21日の大分トリニータ戦に勝利すれば5試合を残しての最速Vが決まる。

川崎F対横浜 後半、川崎F・DFジェジエウ(左)は横浜MF扇原の股下から勝ち越しシュートを決める(撮影・山崎安昭)
川崎F対横浜 後半、川崎F・DFジェジエウ(左)は横浜MF扇原の股下から勝ち越しシュートを決める(撮影・山崎安昭)

【第28節】<明治安田生命J1:川崎F0-1大分>◇11月21日◇昭和電ド

勝てば優勝が決まる川崎フロンターレだったが、大分トリニータに敗れ、21日に優勝を決めることはできなかった。

立ち上がりから大分に攻め込まれる場面が多く、何度も決定機をつくられたが、GKチョン・ソンリョンが好セーブを連発。

しかし前半34分、ロングボールに反応した大分MF野村に裏を取られると、DF谷口がペナルティーエリア内で野村を引っ張って倒してしまった。

このプレーでレッドカードを提示された谷口は退場となり、川崎Fは10人で戦うことに。キャプテンマークはMF大島に引き継がれた。

大分の野村にそのままPKを決められ、前半は0-1とビハインドで折り返した。

川崎Fは後半、MF三笘とMF田中を投入。アンカーに入っていたMF守田を谷口の位置に下げ、大島をアンカーに配置して、最前線にFW小林と三笘が並ぶ、4-3-2のようなシステムに変更した。

後半6分に田中のCKから小林が惜しいヘディングシュートを放つも、1人多い相手の守備陣形を崩すことができず、その後は好機をつくれない時間帯が続いた。

大分対川崎F 前半、ペナルティーエリア内でファウルし、一発レッドで退場する川崎F・DF谷口(撮影・狩俣裕三)
大分対川崎F 前半、ペナルティーエリア内でファウルし、一発レッドで退場する川崎F・DF谷口(撮影・狩俣裕三)

【第29節】<明治安田生命J1:川崎F5-0 G大阪>◇第29節◇11月25日◇等々力

川崎フロンターレが2位ガンバ大阪を下して、2年ぶり3度目のリーグ優勝を決めた。

前半22分に、DF登里の後方からのクロスにFWレアンドロ・ダミアンが右足で合わせて先制。

同45分には、MF田中の右CKをレアンドロ・ダミアンが頭でそらし、ファーサイドのMF家長が左足で触って流し込んだ。

2点リードで折り返した川崎Fは、なおも攻撃の手を緩めなかった。後半4分には、MF三笘のスルーパスに反応した家長がこの日2点目を決めた。

後半28分には、三笘の右からのパスを受けた家長が3点目を決めて、ハットトリックを達成した。

後半41分には、今季限りでの引退を発表しているMF中村もピッチに立った。同45分にはFW斎藤の今季初ゴールも生まれ、5-0の快勝で最速Vを成し遂げた。

川崎F対G大阪 優勝シャーレを手に笑顔を見せる川崎F・MF中村(左)とMF三笘(撮影・江口和貴)
川崎F対G大阪 優勝シャーレを手に笑顔を見せる川崎F・MF中村(左)とMF三笘(撮影・江口和貴)