川崎フロンターレが土壇場で同点に追い付き、王者の勝負強さを見せつけた。最速V決定後初の試合で清水エスパルスに2度のリードを許したが、最後は後半44分の得点で2-2に持ち込んだ。チームが保持する年間最多得点記録の84点まであと3点。圧倒的な強さを記録でも残すべく、最後まで走り抜ける。

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内容の振るわない試合から勝ち点を奪う強さが、王者たるゆえんだ。前半を1-2で折り返し、後半もFW小林のシュートがバーに当たるなど精彩を欠いたが、落ち着いて試合を進めていった。後半44分にMF三笘が中央でボールを受けて相手を引きつけると、ワンタッチで前方のスペースにパスを出し、これを受けたDF山根が流し込んで同点弾を決めた。山根は「粘り強さが今季の良さ」と胸を張りつつ、「もう1点取れたらよかった」と王者らしく悔しがった。

最速Vの次に目指すのは記録。06年にマークしたチームの年間最多得点記録84点まで、残り3試合で3点と迫る。鬼木監督はメンバー選考について「どの試合でも記録を狙うので、そのときのベストを選びたい」と話していた。この日も経験の少ない若手を起用することはなかった。優勝を決めても手を緩めず、次なる目標に向かっていく。