初出場のヴィッセル神戸が不運に泣いた。2試合連続の延長戦の末に1-2で蔚山(韓国)に惜敗。後半にビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)で神戸の得点が取り消され、逆に蔚山が認められる判定があった。

延長後半にPKで勝ち越しを許し、日本勢では07年浦和レッズ以来、2度目の初出場での決勝進出はならず。MFアンドレス・イニエスタは故障で今大会初めてベンチ外で欠場。19日の決勝は蔚山-ペルセポリス(イラン)が対戦する。

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2試合連続で突入した延長戦で、神戸は力尽きた。延長後半14分、GK前川黛也のプレーでPKを与え、痛恨の逆転負けを喫した。

大会7試合目でイニエスタが初めてベンチ外となり、欠場した。7日の上海上港戦で痛めた右太ももは、満足に走れなかった10日の水原戦で悪化。中2日の試合が続き、この試合の出場は困難とみられていた。会場の観客席で仲間の応援となった。

一方で三浦淳寛監督は「(先発しなくても)ベンチにいることで、他の選手も自信を持ってプレーできる」と話しており、10人が許されるベンチ入りに背番号8を選ぶとみられた。だが、故障箇所は想像以上に悪かったのかもしれない。

神戸は後半7分、右CKからMF山口蛍が右足でゴール左へと決める。この日、主将マークをつけた山口のサインプレーによる芸術弾だった。さらに1点リードの同30分、途中出場のMF佐々木大樹がゴールしたが、VARで取り消された。MF安井拓也のプレーがファウルと判定された。

その直後に蔚山は、FWヨハンセンのゴールが1度はオフサイドと判定されたが、再びVARでこちらは得点に認められて同点になった。神戸とすれば納得できない判定だった。

ACLでの日本勢の決勝進出は、17年浦和、18年鹿島アントラーズ、19年浦和レッズと3年連続だったが、今回はそれに続けなかった。初出場でベスト4に終わった神戸は、ドーハで味わった悔しさを胸に日本に戻ってくる。