J1ベガルタ仙台の監督を昨季まで6シーズン務めた渡辺晋氏(47)が来季、J2レノファ山口の新監督に就任することが20日、分かった。今日21日に発表される。

今季、山口は今季9勝6分27敗の勝ち点33で最下位の22位。日本サッカー協会の技術委員長などを歴任し18年から3季、指揮を執った霜田正浩監督(53)が今季限りで退任することが発表されている。低迷したクラブの再建を託す人材を模索していた中、複数クラブから興味を示されていた国内屈指の戦術家に、いち早く正式オファーを出した。

渡辺氏はDFだった現役時代を含め、仙台に19年間在籍。前回J1の02、03年は選手として経験した。04年に当時J2だった仙台で現役引退し、下部組織の指導者をへて08年からトップチームコーチに就任。ヘッドコーチ時代の14年4月、グラハム・アーノルド監督(当時)の成績不振による解任を受けてクラブ史上初のOB監督に昇格し、降格危機にあったチームを救っている。

その後も、決して恵まれた予算規模ではないチーム事情がありながら、15年の第1ステージ7位や2度の年間11位など在任中はJ1に定着。初のタイトル獲得こそならなかったが、17年にはルヴァン杯ベスト4、18年度には天皇杯準優勝に導いた。ともに過去最高成績だった。

前任の手倉森誠氏(53)に並ぶ最長タイの6年間、仙台を率いて19年シーズン限りで退任。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、知見を深める充電期間に充てていた。

09年にはコーチとして仙台のJ2優勝とJ1再昇格に貢献しており、リーグの厳しさも分かっている。一方で限りある戦力を適材適所で生かす手腕で知られる指導者を招いた山口が、悲願のJ1初昇格を目指す。