全日本高校女子サッカー選手権(21年1月3日開幕=兵庫)に北信越第1代表で出場する帝京長岡(3年連続3度目)がトータルフットボールで旋風を巻き起こす。初戦は四国第2代表の四国学院大香川西と対戦する。チームの要はDF宮崎彩菜主将と、ポイントゲッターのFW小林砂璃(ともに3年)。選手権男女アベック優勝へ向け、強敵をなぎ倒す。

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技巧派集団を束ねる宮崎は足元の技術と正確なパスが持ち味でセンターバック、ボランチの位置から試合を作るコントロールタワー。ボディーコンタクトの強さもピカイチだ。「得意のキックでチャンスを広げたい。守備では全試合無失点が目標。点を取られない限り負けはない」。1年時から主力でプレーしており、前回大会1回戦の広島文教大付戦(4○1)では直接FKで1得点。「勝利が一番だがチャンスがあればまた得点を狙いたい」。

背番号10を背負う点取り屋の小林は両足から放たれる力強いシュートとヘディングでゴールを狙う。「フィジカルの強さでチームに貢献できるところが特長」と体を張ったポストプレーにも自信を持つ。「みんなが強い気持ちでつないだボールを最後は責任を持ってゴールに打ち込む。目標は7点取って得点王!」と宣言した。

チームは相手の出方によって、ポジションを変更させながらボール保持率を高め、試合を支配する。「登録ポジションは試合開始前のもの。おもしろい戦いができる」と松野智樹監督(47)。展開によってセンターバックに回る可能性もある小林は「ポジションがぐるぐる変わるので得点王は難しいかも」と苦笑いも「個人技の高い選手がそろっていてチームの完成度は高い。相手は嫌だと思う」と手応えを口にする。

「打倒・神村学園」が合言葉。初出場の前々回大会は準々決勝で、昨年は2回戦で同校に敗れている。今大会も2回戦で再戦の可能性があり「全国制覇するためにも倒さなければならない相手。リベンジしたい」と宮崎は力を込める。

県外出身の宮崎と小林はともに「帝京長岡のサッカー」に憧れ、親元を離れ長岡にやって来た。「(親代わりでもある)松野監督を胴上げし泣かせたい」と2人は声をそろえた。【小林忠】

◆宮崎彩菜(みやざき・あやな)2002年(平14)11月21日生まれ、熊本県出身。桜木小1年でエンフレンテ熊本に入団し、サッカーを始め、小5年から桜木中3年まではソレッソ熊本に所属。175センチ、62キロ。

◆小林砂璃(こばやし・さり)2002年(平14)9月18日生まれ、千葉県出身。高柳西小1年でエクサス松戸に入団し、サッカーを始め、高柳中ではカナクラーヴォに所属。169センチ、60キロ。