Jリーグ内定者4人を擁する昌平(埼玉)が兄弟ゴールで高川学園(山口)に逆転勝ちした。0-2で迎えた後半40分に篠田兄弟の弟翼(1年)が反撃のゴール。続くロスタイム5分のラストプレーで兄大輝(2年)がヘディングで同点弾を決めた。PK戦で勝利をもぎとり、京都橘(京都)との2回戦にコマを進めた。試合の最後5分でPK戦に持ち込む、まさにミラクルだった。

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最後の最後だった。後半40分に篠田兄弟の弟翼のゴールで1点差に迫り、そのままロスタイムに突入して5分。主将の須藤がペナルティーエリア左でFKを獲得した。主審からは「ラストプレー」と告げられており、初戦敗退もちらつく場面だった。

そんな状況でも虎視眈々(たんたん)とヒーローの座を狙っていたのが、弟の翼同様、途中出場した兄の大輝。本来ゴール前で相手センターバックをブロックし、味方をガードする役割だったが「あの時は自分で点を取りたいなと。蹴る前に『オレのところに飛んでこい』と思ってたら飛んできたので頭が出ました」。公式戦では初めての兄弟ゴールを、これ以上ない大事な場面で決めてみせた。PK戦ではGK西村が活躍し、勝利をつかみとった。

昌平では須藤とMF小川が卒業後は鹿島へ入団。FW小見はJ2新潟、MF柴はJ3福島へ進む。当然4人は研究され、思い通りのプレーができないこともある。だが昌平は4人だけのチームではない。左サイドバック小沢は何度も突破でチャンスをつくり、ベンチでは篠田兄弟らが控える。藤島監督は「(兄弟が)途中から入ってこれだけ仕事をしてくれた。チームとしても良い方向性につながった」と次戦への手応えを口にした。【千葉修宏】

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