福島ユナイテッドFCが同点からわずか2分間での逆転劇で今季初勝利をつかんだ。ホームでYSCC横浜を2-1で撃破。前半12分に先制されたが、同36分にMF吉永大志(24)のJリーグ初ゴールで追いつくと、同38分にはナイジェリア出身の“カカ”ことエースFWイスマイラ(22)が、試合をひっくり返す決勝弾を決めた。

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188センチのナイジェリア人ストライカーが逆転劇の主役になった。前半38分、左サイドのMF田中がゴール前にクロス。相手DFがクリアしきれなかったボールがイスマイラの前に流れ、最後は落ち着いて左足を振り抜いた。ゴールラインを越えたか、越えてないか際どいところに飛んだが、主審がゴールを認めると、両手人さし指を天に突き上げ歓喜した。

来日、加入ともに3年目、昨季33試合で13ゴールを挙げた。スピードもパワーも申し分のない万能型FWで、昨季までJ1柏に在籍してMVPと得点王に輝いたケニア代表FWオルンガをほうふつとさせる。愛称“カカ”はACミラン、レアル・マドリードで活躍した元ブラジル代表MFカカに憧れることが由来し、得点後のパフォーマンスも本家のしぐさをまねている。

0-1の前半36分、田中の左クロスからドンピシャヘッドを突き刺した吉永は、大卒3年目で待望のJリーグ初ゴール。「本当にうれしかったし、やっと取れてホッとしました」と通算38試合目で待ち望んでいた結果につなげた。「苦しい時間帯もみんなが体を張って、自分の得点を意味あるものにしてくれた。チームのみんなに感謝しかないです」と力を込めた。

福島は開幕2試合で1勝1分けと上々のスタート。昨季は18チーム中13位とふるわなかったが、「昇格へ向けた変革の年」と位置づける今季の目標はJ3優勝だ。次戦はアウェー鹿児島ユナイテッドFC戦。規格外のストライカーを軸に勝ち点3を地道に積み重ねる。【山田愛斗】