新生・藤枝順心はドロー発進となった。上位リーグ初戦で、東海大静岡翔洋にスコアレスドロー。今春に就任した中村翔新監督(32)の初陣を勝利で飾ることはできなかった。試合序盤から相手を圧倒。何度も決定機を作ったが、最後までネットを揺らせず無得点に終わった。

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無得点のまま試合終了の笛が鳴ると、藤枝順心の選手たちは、まるで敗者のように肩を落とした。中村新監督の初陣で勝利を届けられず。FW窓岩日菜(3年)は「ふがいない結果。(シュートを)決めきれないのが課題。勝ちきりたかった…」と、唇をかんだ。

主将の言葉通り、決定力不足が響いた。後半3分、右サイドから中央に切り込んだFW山田歩美(2年)のシュートが、ポストを直撃。こぼれ球に反応したFW辻沢亜唯(1年)の右足ボレーも、ゴールの枠を外れた。序盤から攻勢を強めたこの日、前後半で放ったシュートは計17本。再三、相手ゴールに迫ったが、最後まで1点が遠かった。

指揮官は「『勝ちたい』という気持ちが前にいきすぎていた。ゴール前の崩し、連係の改善が必要」と振り返った。今年1月に行われた全日本高校選手権で連覇を達成した前チームに続き、3連覇を目指す現チーム。全国女王という重圧に初戦の硬さも重なり、決定機で精彩を欠いた。

次戦は、来月5日に磐田東と対戦する。中村監督は「注目されるプレッシャーを楽しめるようになってほしい」と期待。窓岩も「切り替えて、次は勝てるように準備したい」と、顔を上げた。【前田和哉】