J2アルビレックス新潟はホームで相模原と対戦し、2-1で逆転勝ち。4試合ぶりに白星を手にした。1-1の後半6分に左MFで先発した谷口海斗(25)がゴールを奪い、勝負を決めた。試合は前半29分に先制される苦しい展開となったが、直後の同32分にMF福田晃斗(29)が今季初ゴールを決め、チームを勢いづけた。14勝8分け4敗で勝ち点を50に伸ばした新潟は3位をキープ。次節は28日、敵地で水戸と対戦する。

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谷口の右足が勝負を決めた。1-1の後半6分、右DF藤原の右クロスをファーサイドで待ちかまえた谷口は、相手最終ラインと相手GKの間にタイミング良く飛び出し、ワンタッチでコースを変えた。これで今季10得点目。シーズン開幕前に「2桁得点」を目標としていた昨季J3得点王がゴール前で抜群の嗅覚を発揮し、チームに4試合ぶりとなる勝ち点3をもたらした。

スコアレスドローで終わった前節千葉戦(14日)では得意のパスサッカーを封じられたが、この日は長短を織り交ぜたパスを回して主導権を握る。だが、最終ラインに5人の選手を並べる相手の守備に手を焼き、決定打を放つことができずにいると、前半29分に先制点を献上。一瞬の隙を突かれる展開にスタジアムは静まり返ったが、直後の同32分にMF福田がゴール前の混戦から右足でネットを揺らし、空気を一変させた。

後半も立ち上がりから新潟ペース。谷口のゴールで勝ち越しに成功した後も、アルベルト監督はMFロメロ、本間と攻撃的な選手を投入し、選手たちに「常にゴールを奪いに行け」とメッセージを送った。J1大分から加入後初先発となったFW高沢は同18分に交代するまで1トップの位置に入り、「高さ」で存在感を示した。チームは3点目を奪うことはできなかったが、直近3試合連続で引き分けていた鬱憤(うっぷん)を晴らすかのように、終了の笛が鳴るまで果敢に相手ゴールに迫った。

次節は水戸と対戦。勝ち点55で首位を走る磐田を猛追するためにも、敵地で連勝を勝ち取る。【小林忠】

▽アルベルト監督「全体を通して我々が試合を支配できた。攻撃している際にスペースを見つけることは難しかったが、相手の背後を狙うプレーは機能していた。サイド攻撃から良い狙いも出ていた。より早い段階でゴールを取れなかった部分、自分たちのミスからゴールに迫られる部分は改善したい」。

▽福田晃斗「自身のゴールより、勝利が達成できたことがなにより。今週はクロスからダイナミックな攻撃に重点を置く練習をしてきたので、結果が出て良かった」。

▽谷口海斗「練習していたクロスから、決めきることができて良かった。(2桁ゴールは)うれしい。満足せず、これからもチームを勝利に導くゴールを取って行きたい」。