アルビレックス新潟はホームで北九州と対戦し、0-0で引き分けた。

長崎に敗れた琉球と勝ち点51で並び、得失点差で3位に順位を上げたが、今季4度目のスコアレスドローと決定力不足は解消されないまま。この日がJリーグ戦通算100試合目の出場となった右サイドバックの藤原奏哉(25)のオーバーラップを生かし優位に試合を進めたが、肝心のゴールを奪うことができなかった。次節11日もホーム戦。山形を破り、リーグ序盤戦で見せた勢いを取り戻したい。

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スコアレスで迎えた終盤、新潟はFW鈴木孝司(32)、FW高沢優也(24)ら攻撃的な選手を次々と投入したが、得点を奪うことはできなかった。序盤からパスを回して主導権を握り、敵陣でのプレータイムを長くするが、攻撃のスイッチを入れるはずの縦パスやゴール前へのラストパスで「ズレ」が生じた。後半15分にはFW谷口海斗(25)が絶好機を迎えたが、右足シュートは相手GKに阻まれた。アルベルト監督(53)は試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、静かにうつむいた。

“古巣対決”となった藤原はこの日がJリーグ戦通算100試合目の出場。豊富な運動量を生かして何度も右サイドをオーバーラップし、パス回しに加わった。阪南大(大阪)から当時J3だった北九州に入団し、18年にプロデビュー。試合前には「(プロ入り後、4年で100試合出場は)遅いな、と思うがメモリアルゴールが取れれば」と話していた。クロスで好機を演出するなど得意の位置で存在感を示したが今季初ゴールは決められなかった。

センターバックでは舞行龍ジェームズ(32)と、第19節アウェー秋田戦(6月21日)以来の先発出場となった早川史哉(27)が抜群のポジショニングで未然にピンチの目をつみ、相手の攻撃をはね返し、今季12度目の無失点。前節8月28日の水戸戦で4失点した課題の守備は立て直した。アルベルト監督は「試合を90分間コントロールできたし、守備も良かった」と話したが、「ただ、今日も決定力不足が出てしまった」と悔しさをこらえた。

新潟はこれで14勝9分け5敗で勝ち点51。長崎に敗れた琉球と勝ち点51で並び、得失点差で3位に順位を上げたものの、不完全燃焼に終わった。次節こそ、ホームで山形を破り、確実に勝ち点3を手にしたい。【小林忠】

▽アルベルト監督「相手を上回るプレーはできていたし、チャンスも作れていた。試合を90分間コントロールできたし、守備も良かった。ただ今日も決定力不足が出てしまった」

▽GK阿部(6月5日アウェー甲府戦以来の先発)「0で終えられたことは良かったがホームでの勝ち点1は悔しい。次もホームなのでしっかり勝ちたい」

▽堀米主将「いいサッカーが表現できていただけに勝ち点1は悔しい。ただ他の上位チームも苦しんでいるようなので取り組んでいるサッカーを継続し、チームとして得点を目指していきたい」