ジュビロ磐田は4-1でギラヴァンツ北九州に逆転勝ちし、首位を守った。FWルキアン(30)は1点を追う前半15分に同点弾。6試合連続ゴールとなる今季20号で反撃の口火を切った。得点ランクも単独トップで、2位の京都FWウタカとは3ゴール差。磐田では2015年のFWジェイ(現札幌)以来となる得点王も見えてきた。

ブラジル人助っ人が覚醒している。同点ゴールはDFラインからのロングパスに抜けだし、強烈な右足ミドルでゴール左隅に流し込んだ。スピードを生かした1点は「練習からやっていた形」。ハイプレスをかけてきた相手の隙を突くゴールだった。

昨季は10得点。好不調の波も激しかった。思い通りのプレーができない時には「イライラしてしまうこともあった」と振り返る。コロナ禍で家族と離れて生活していた影響もあっただろう。ただ、今年は違う。オフに頸椎(けいつい)椎間板ヘルニアの手術を行い、開幕直前に復帰。プレー面では前線からの献身的な守備を怠らず、チームのために走っている。

ルキアンは「ゴールを取れているのは日々のトレーニングの成果」と好調の要因を挙げた。独り善がりにならず、常にチームのことを考えながらプレー。チームメートの誰もが「本当に献身的になった」と口をそろえるほどだ。

栃木との次戦は、2002年にFW高原直泰が打ち立てたチーム記録と、J2記録の7試合連続ゴールが懸かっている。それでも、ルキアンは「チームの勝利が大事。毎試合決勝のつもりで戦いたい。我々の目標ははっきりとしている」と強調した。優先するのは個人記録よりも、チームのJ1昇格。残り9試合。絶対的エースのプレーから目が離せない。【神谷亮磨】

▽得点経過 前半2分(北九州)佐藤亮 前半15分(磐田)ルキアン 前半16分(磐田)山本康裕 前半20分(磐田)鈴木雄斗 前半38分(磐田)山田大記