セレッソ大阪の元日本代表FW大久保嘉人(39)の現役最後の舞台が幕を閉じた。この日は観客上限なしで行われ、大観衆に埋まった会場で先発出場。最高の花道となった。勝てば19日に国立競技場で行われる決勝戦に進むはずだった。

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大久保は残された力を振り絞り、積極的にゴールを狙うも無得点に終わった。0-1と1点ビハインドの後半19分にFW加藤と交代。仲間に逆転の望みを託し、ベンチで見守ったが、願いは届かなかった。

前半6分に果敢にロングシュートを狙い、劣勢に立たされた同31分にも1人でゴール前へと攻め上がった。さらに同41分にはDF松田陸の右からのクロスを、DFの裏に飛び出して左足を伸ばす。わずかの差で届かなかったが、何度も決定的なチャンスを作った。

セレッソ大阪に関わる全ての人の思いは1つだった。

「大久保嘉人を無冠のまま引退させるわけにはいかない」-

ただ、チームは終了間際にも失点し、臨んでいた決勝戦を現役最後の舞台にすることはできなかった。

2度のW杯出場。川崎フロンターレ時代は3度の得点王。J1歴代通算最多得点(191点)を持つ日本最高のストライカーが、ぎっしりと埋まった埼玉スタジアムでの試合を最後に、ユニホームを脱ぐこととなった。