長崎総合科学大付が北海(北海道)に2-1で逆転勝ちした。18年度以来3大会ぶりの初戦突破。国見(長崎)を6度の全国制覇に導いた名将・小嶺忠敏監督(76)が体調不良のためベンチ入りせず、コーチが指揮する中での初戦だった。

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逆転の瞬間、長崎総合科学大付の選手たちは、指揮官に届けとばかり、雄たけびを上げて喜んだ。決めたのは、DF原口。1-1の後半38分、左クロスをゴール前で競り合い、こぼれ球を頭でねじ込んだ。「みんながうまく競ってくれたおかげ。あいている場所が見えたので、入れるだけだった」と振り返った。

教え通り戦えば、必ず流れは来る-。全員が信じていた。前半31分に失点。序盤は劣勢だったが、焦らずじわじわと押し込んでいった。前半40分に、右CKからのこぼれ球をMF別府が押し込み同点。別府は「小嶺先生と3年間、一緒にやってきたことは間違いない」と言った。

小嶺監督がベンチ入りしないことを選手が知ったのは、この日の朝だった。だが、大会約1週間前、本州遠征に入る時点で、同監督は体調不良のためチームに同行していなかった。別府は「もしかしたらというのはあった。やってきたことを出そうと、みんなで話し合っていた。前半は硬かったが、後半は先生とやってきた短いパスや、サイドの崩しを生かせたるようになった」。

国見を87年度の初優勝から6度、全国制覇に導き、数々の日本代表を育て上げた名将の指導は、選手にとって大きな財産。勝ち上がり、体調が戻れば、ベンチでの指揮も可能となる。別府は「小嶺先生がいなくなって、自分たちが甘えていたことが分かった。ここを、自分たちで乗り越えられるかが、今後の人生にも役に立つ」。勝ち上がり、成長した姿を指揮官に示し続ける。【永野高輔】

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