守備の要が「凡事徹底」で開幕スタメンに照準を合わせる。

J2モンテディオ山形DF野田裕喜(24)は昨季、主力センターバックとしてキャリアハイの35試合に出場した。しかし、昨年10月の群馬戦で負傷。左アキレス腱(けん)部分断裂で全治約2カ月の診断を受け、戦線離脱したままシーズンが終わった。復活を期す今季。21年度の全国高校サッカー選手権で準優勝した母校大津(熊本)のように勇敢にプレーする。

後輩たちの活躍に心が躍った。決勝は青森山田に0-4で敗戦も「単純に『すげーな』と思って見てましたけど、自分も負けてられないし、大津高校のOBとして恥じないプレーをしたい」。大津時代の恩師、平岡和徳総監督(56)の教えである「凡事徹底」を心に刻む。「一番簡単そうで一番難しい、当たり前のことを当たり前にする『凡事徹底』だったり、準備の大切さは今に生きています」。高校、プロと戦う場は違っても、ベースの部分は変わらない。

シーズン終盤に負傷したが、昨季は確かな手応えをつかんだ。「『終わり良ければ全て良し』という言葉があるが、終わりが悪かったから全て悪かったという年ではなく、非常に充実した年になった」。5日のJ1磐田との練習試合で実戦復帰。「試合をできたのが自分の中でポジティブ」と30分出場した。

山形はピーター・クラモフスキー監督(43)の下で、攻撃的なサッカーを志向する。「自分が守って、攻撃の第1歩になれるような選手になりたい」というのが理想像だ。19日のアウェー群馬戦で今季が幕を開ける。「しっかりコンディションを上げて、もちろん開幕スタメンで出たい」。J1昇格に向けて「目の前の1試合1試合に自分の100%を出し続けます」。全力で1年を駆け抜ける。【山田愛斗】

◆野田裕喜(のだ・ひろき)1997年(平9)7月27日生まれ、熊本県出身。ブレイズ熊本ジュニア、ブレイズ熊本ジュニアユース、大津、G大阪を経て山形入団。高2、3年時には熊本の特別指定選手。Jリーグ初出場は14年11月23日、同初得点は16年5月29日。J2通算80試合3得点、J3通算67試合3得点、リーグカップ通算3試合無得点。U-17、18、19日本代表。背番号「5」。利き足は右。181センチ、73キロ。