「山形の至宝」がさらなる飛躍を誓う。24年パリ・オリンピック(五輪)世代でプロ4年目のJ2モンテディオ山形DF半田陸(20)は、不動の右サイドバック(SB)として2桁アシストを目指す。ユース在籍時の19年にクラブ最年少の17歳でプロ契約。高校2年でJリーガーになった。同年には17歳4カ月11日でクラブ最年少デビューし、次々と歴史を塗り替えてきた。昨季は37試合に出場して3ゴール6アシスト。今季は背番号が「31」から「3」に変わり、J1昇格に向けて最高のシーズンを送る。

着実にステップアップしてきた。「昨季は試合に出るたびに、どんどん良くなり、1試合1試合できることも増えた。今年はそれを最初から出せればいい」。19年は5試合、20年は15試合に出場。21年は定位置をつかんだ。今季は細かい技術を磨き、1試合あたりのスプリント数(時速24キロ以上で走った回数)増加を掲げ、より安定したパフォーマンスを示す。

将来的な海外挑戦も視野に入れる。欧州ではリバプールDFトレント・アレクサンダーアーノルド(23)を筆頭に、SBが10アシスト以上マークするのは珍しくない。「いくらゴール前を固められても、ああいう選手は1つのクロスで守備組織を破壊できる。僕もそういう選手になりたい」。その上で「2桁アシストしたい」と気合を入れる。

山形県上山市出身で1月1日には20歳の誕生日を迎えた。「心境は全然変わらない」というが、初々しくお酒デビューも果たした。「家族と少しだけ飲みましたけど、全然好きじゃないです(笑い)」。各世代別の日本代表を経験し、U-17W杯では主将を務めた。昨年のU-20W杯がコロナ禍で中止になるなど国際大会は減っているが、6月にはU-23アジア杯が開幕する。パリ五輪まで残り2年に迫り「まずは山形で結果を残して代表に定着したい」。地元から世界への扉を開く。【山田愛斗】

◆半田陸(はんだ・りく)2002年(平14)1月1日生まれ、山形県上山市出身。上山カメレオンFC、山形ジュニアユース村山、山形ユースを経て19年にプロ契約。Jリーグ初出場は19年5月12日、同初得点は21年4月21日。J2通算57試合3得点。U-15、16、17、22日本代表。背番号「3」。利き足は右。176センチ、63キロ。