京都サンガの売り出し中のセンターバック、DF井上黎生人(りきと、25)が6日のJ1リーグ、ホームのガンバ大阪戦に向けて必勝を誓った。勝てば今季初の連勝になる。

前節2日ヴィッセル神戸戦でJ1初先発を飾った井上は、3-1で会心の逆転勝利に貢献。中3日のG大阪戦は、井上の先発は微妙ながら「僕は連戦は好きな方。状態を整えて、誰が出ても総力戦になるので、いい準備をしたい」と意気込んだ。

神戸戦の90分間は至福の時間だった。J3ガイナーレ鳥取、J2ファジアーノ岡山を経て今季から京都に加入。ルヴァン杯では経験したものの、J1では3試合目で初先発だった。「カバリングとシュートブロックは自信もあったので、J1で通用するとより感じた。ロングフィードは、ピンポイントで合わせていければ」。

その中で憧れの元スペイン代表MFイニエスタと対戦。「いつパスが出てきてもおかしくなく、頭を休められなかった。貴重な時間だった」。祖母がスペイン人の井上は試合後、勇気を出してイニエスタに話しかけたという。

「『今日はありがとう。僕のおばあちゃんはスペイン人なので、少ししゃべれるんだけど』と言ったら、『ええ、本当?』と返してくれた。すごくよかった。おばあちゃんはスペインにいるので、報告したら喜ぶと思う」

井上を抜てきした曹貴裁監督(53)は「(先発選びで)ダーツをやって回したら、井上に当たったという感じ」と冗談を言いつつ「クレバーな選手で、初先発であれくらいはできると思っていた。他の選手に競争心が出てくるのは、非常にいいこと」と歓迎した。

3月下旬に選手8人、スタッフ6人が新型コロナウイルスの陽性判定を受けながら、チーム活動停止明けの初戦で神戸に快勝。井上は「次は無失点でいけるように頑張りたい。G大阪で警戒するのは(岡山で同僚だった)石毛選手。すごくタメがつくれてうまい」。イニエスタとの初対戦で1つ成長した25歳が、京都の選手層をさらに厚くした。