ガンバ大阪がJ1で12年ぶりに実現した京阪ダービーで執念ドローを演じた。アウェー京都戦は1-1の引き分け。1点を追う後半13分、新加入のブラジル人MFダワン(25)が豪快なJ1初得点を記録。MF斉藤未月(23)とのダブルボランチも機能させた。今季初の連勝を逃し、通算2勝3分け2敗で順位こそ9位だが多くの収穫をつかんだ。

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自称「脇役」が、ド派手な主役になった。G大阪MFダワンが、来日初ゴールをJ1出場2試合目で決めた。1点を追う後半13分、相手クリアに右足ダイレクトで合わせたミドルシュートは、ゴール右隅へと豪快に決まった。相手GKから逃げていくようなシュート回転だった。

「初得点は素直にうれしい。すごくきれいなゴールが取れた」。昨季限りでセルティックへ移籍した、元日本代表MF井手口をほうふつとさせる攻撃力。前日に「僕自身は技術が優れたり、器用だとは思っていない。仲間がプレーしやすい状況をつくりたい」と脇役宣言したボランチが、会心の笑顔だ。

今年1月にサンタリタ(ブラジル)から期限付き移籍したダワンは、政府の入国制限で来日が大幅に遅れた。3月26日のルヴァン杯鹿島戦の後半途中からデビューを果たし、前節2日名古屋戦でJ1初出場を先発で飾り、ホーム初勝利に貢献した。

片野坂監督はダワンに「90分間いいパフォーマンスで、得点でも貢献してくれた」と高い評価。ロシアから新加入でダブルボランチを組んだMF斉藤も「あそこまでハードワークして、ボールを動かせて、空中戦も任せきりですべてはじいてくれた」と絶賛した。

1月下旬に選手9人、スタッフ3人が新型コロナの陽性判定を受けた影響で、2月5日の京都とのプレマッチは中止に。同じ敵地会場で実現したこの日、G大阪の応援席は満員だった。ダワンは「勝ちたかったが、次への準備したい」。無名のブラジル人MFが、片野坂ガンバの象徴となるかもしれない。【横田和幸】

◆ダワン 1996年6月3日、ブラジル生まれ。母国のサンタリタ、CSA、ポンチプレッタ、ジュベントゥージを経て、今季から期限付き移籍でG大阪入り。177センチ、69キロ。推定年俸6000万円。